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家具に限らず、単に絶対価格的に安いのではなく、対価値相対的に安いものは売れるのかもしれません。

「モノの割には安い」と感じさせることでしょうし、その基本的な考え方をベースとして成長を続けている企業があることは否定できません。

家具の世界でもこの市場がヴォリュームゾーンであることは間違いなく、単なる製造小売りのスタイルだけでは達成できない部分をグローバル戦略にて実行できる力を有する大企業でなければ難しいのでしょう。

成長の過程ではいろいろな失敗も繰り返してきたのでしょうし、それを常に改善することが更なる成長を続ける原動力になっているとすれば、やはり「強い」としか言いようがありません。

そのような大企業の戦略に真っ向勝負したのではとても勝ち目はありませんし、そのような価値観ではない製品を開発する必要があることは言うまでもありません。

これは価値観のズレだと思われますが、家具において長く大事に使うものとして箪笥やサイドボードのようなものがあるのに対して、買い替え前提となるものとしてはソファや絨毯があるようで、買い替え前提であれば「それなりのもの」で良いのではないか、との考え方は少なくないように感じます。

その背景として使用頻度の問題があると思われますが、例えば絨毯の場合は使い込むほど柔らかく馴染み、更に色合いも増してくるものもあります。

明らかに新品よりも良いと感じさせるものがあることも事実ですし、人間の生活の中に溶け込み上質な経年変化を遂げていくものもあると言うことです。

家具とは本来そういうものであり、「使用頻度が高い=買い替え前提」とはならないことを確認しておきたい気持ちです。

人間に最も近い存在の家具とも言えるソファも同様で、木部の上質な経年変化と部分メンテナンスにより復元するクッションを兼ね備えたオーセンティシティソファの価値観を正しく伝承していきたいと考えています。

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