「買い替えの必要性」

家具の買い替えについては、引っ越しを機に検討されることが多いようです。

お部屋の広さが変わることによる物理的な一面もあるでしょうし、それを機に雰囲気をガラッと変える場合もあるでしょう。

一方では、長く使用され続けてきた愛着のある家具もあるでしょうし、それを引き続き設置することを前提とした他の家具の買い替えもあると思われます。

ソファにおいては、広いお部屋に引っ越されたタイミングにて憧れだったL型カウチセットやコーナーセットのようなスタイルを実現させたいとのイメージを持たれていることが比較的多いものです。

その場合は一般的に2台分の価格となってしまうこともあり、予算面から止む無く単価を落としたうえで探されるケースが少なくないことも以前記したことがあります。

結果として短寿命となるソファを迎え入れることになり、また100%満足したうえでの購入ではないケースが多いことからも必然的に買い替えのタイミングも早まってしまいます。

このようなサイクルは悪循環としか言えないように感じるのですが、ソファにおいては不思議と消耗品と割り切って製造している日本メーカーが少なくない現実もあります。

必要とされる大きさやスタイルは生活の移り変わりに伴い変化することも事実ですが、そのたびに買い替えることの不合理さについてももっと認識するべきでしょう。

買い替えの際には都度搬出入費や処分費用も発生しますので、製品代も含めて10年も経てばもっと良いソファを購入出来ていたなんてことも普通にあり得ることだとも思われます。

何よりも処分し続けることは地球環境に負荷を掛け続けることにも繋がりますので、良いものを長く使い続けることを今一度意識することが大事な時代になっているものと考えます。

「ソファの必要性」

お部屋を広く使いたいとの理由により、「ソファって本当に必要なの?」と思われている方も少なくないようです。

例えば決して広くないお部屋での一人暮らしであれば、ベッドやデスクを設置することによりそのスペースさえなくなってしまうことは考えられます。

その場合はベッドがソファ代わりになることも考えられますので、生活をするうえでの最低限のスペースは確保することになります。

そのような一部ケースを除けば、仮に小さなソファになったとしてもこれを設置するためのスペースは確保することが可能だと思われます。

ソファには憧れを抱いている方も少なくなく、当然のようにそれが設置されている生活についてもある程度はイメージすることになるとも思われます。

それを実現させるために、最も多いケースとしてはご新居へのお引越しを機に具体的なソファ探しを行うことになるとも思われ、その意識面は一気に高まることが想像できます。

多くの場合は図面中への落とし込み(レイアウト)も行うことになり、動線も含めた適正サイズやスタイルについても検討することになります。

その過程では理想と現実とのギャップに気付かされることもあり、場合によっては一気にテンションが下がってしまうことも考えられます。

また、比較的女性に多いものとして冒頭にも記した「お部屋を広く使いたい」との意識面により徐々にソファサイズが小さくなり、究極は「ソファって本当に必要なの?」との意識になってしまうことも否定できません。

おそらくですが、本当の意味で良いソファを使った経験がないことによるもので、実際使用することにより疲れも早くとれますし、究極の寛ぎの場を得ることによる精神面も含めた各種メリットは決して小さくありません。

また、設置可能な最大限の大きさを選定されることがお勧めとなりますので、ソファの必要性を実感するためにも一度は本物のソファを試されることをお勧めします。

「現場」

仕事柄、ソファをはじめとしたインテリア全般に関わることになっています。

社会人デビュー時は当時の目標でもあった大手総合家具メーカーのデザイン部にお世話になったものの、典型的な若気の至りとでも言うのでしょうか、理想とする会社の方向性ではなかったこともありあっさりと退社したことも思い出されます。

その後は、家具が設置される器となる建築物より学び直すことにしたもので、実践から得た多くの経験知は現在の家具デザインにも活かされていることは間違いありません。

もちろん、学生時代に憧れていた多くの名作椅子は建築家により生み出された背景もあったもので、特に椅子は小さな建築物とも言われるくらいに建築とは関係性が強いこともあります。

それゆえ建築設計事務所にお世話になったのですが、建築物と言っても木造もあればRCもあれば個人住宅もあれば大きなビルもあれば様々ですので、一般的にそれらすべての設計を行うことは少ないものです。

従って幸い機会にも恵まれたこともあり、全国の在日米軍基地内のすべての施設設計を行う特殊な設計事務所にお世話になったもので、それゆえ個人住宅・集合住宅・小学校・銀行・ボーリング場等、基地内に存在するほとんどの施設の設計に携わることが出来ました。

新築ばかりではなくリペア案件も少なくなかったこともあり、都度インスペクション(現調)も行う必要もあるため必然的に現場も多くなり、ある基地の最重要施設での現調は治外法権ともありとても怖い思いもしました。

現在はソファを中心に提案しており、その表面積が大きいことからもそれらが設置される空間づくりには知識とは別の経験知も必要になります。

それゆえ必要に応じた事前の現調に加えて、その結果を確かめるためにも納品時や納品後には現場に足を運ぶことはとても重要なもので、このことは自分自身の能力の更新にも役立ちますので、やはりどのような世界でも現場が大事だと言うことに尽きるだろうと考えています。

「ソファとテーブル」

ソファに合わせるテーブルとして、大きく分けるとソファ前に設定されるセンターテーブルと文字通りソファサイドに設置するようなサイドテーブルがあると思われます。

ソファに引き込み手元で使用できるような、一般的にはコの字形となるいわゆるカンティレバータイプのテーブルもサイドテーブルのひとつと言えるでしょう。

また、ソファのアーム部分がテーブルの役割を果たすようなタイプもあり、通常の張りぐるみタイプのアームであれば別途アーム上に載せて使用することが可能なオプション品も見られます。

このようにソファを使用するうえでは少なからずテーブルの役割を果たすものも必要でしょうし、その使用性においてどのようなタイプが最もマッチするのかは様々だとも思われます。

それはソファのスタイルにも影響されるでしょうし、例えばカウチセットと呼ばれるようなL型に組み上げるタイプにおいては、その間に挟み込む専用のものも存在します。

間に挟み込まれることにより、両側よりお二人が同時に手元で使用可能となる点がメリットだと言えますし、ソファに組み込まれる専用テーブルともあり、全体のデザイン性として綺麗におさまることも大きなポイントとも言えるでしょう。

一方では、ソファとカウチソファに挟まれていることもあり、仮に飲み物が入ったグラス等を倒してしまうとソファへ被害が直結することも考えられます。

もっとも、天板形状がトレイのように淵が立ち上がっているものであれば天板外まで被害を及ぼすことがないのかもしれませんので、そのあたりも含めると選択肢はかなり広いかもしれません。

必ずしもソファ上で飲み物を飲むことはないとも思われますが、テーブルがあれば何かと便利であることは間違いないため、テーブルについてもソファと同時に検討されることが望ましいかもしれません。

「体感」

ソファにおいては、その選定基準も様々だと思われます。

主だったところでは、デザイン性・大きさ・座り心地・予算と言ったところでしょうか、そのすべてに置いてバランスよくマッチすることにより最終選定に繋がるものと思われます。

一方では、もちろん優先順位もあると思われますがすべてにおいて満足できるものは意外と少ないのかもしれません。

その中では、予算面においては一般的に低めとなるように感じており、それは絶対数においてそのようなソファが多いことが背景にあるのでしょう。

従って予算面が比較的高い優先順位となることにより、必然的に高クオリティ/高耐久だと言えるソファを選定されることは少ないことが現実だろうとも考えています。

それゆえの短寿命ともあり何度も買い替えることになるとも思われ、それが良くない経験として「ソファはすぐにダメになるから安価なもので充分」との意識に繋がっているように感じます。

いわば典型的な悪循環となっており、更には消耗品としての安価なソファを大量に製造するメーカーが少なくない現実からも、このような循環より抜け出すことは並大抵のことではないのかもしれません。

おそらく買い替えの際もある程度価格帯も絞り込まれたうえで探されるものと思われますので、なかなか抜け出す機会に恵まれないとも言えるでしょう。

それだけに、一度でも本物の座り心地を経験してもらいたいとの気持ちを強く持っており、それが衝撃的なものであればあるほどソファに対する意識面を改める良い機会になる可能性もあります。

経験したことのない座り心地を体感することにより身体が自然とその座り心地を求めるようになりますので、大切な身体を労わる意味においても本物のソファを使用されることをお勧めします。