「価格バランス」

「価格バランス」

以前にも記しましたが、ソファにおいてはいわゆる適正価格があいまいな家具の代表格だろうと考えています。

 

価格帯の幅がとても広く、同じようなサイズ感でも数万円から数百万円までの幅があります。

 

同じアイテムで価格が二桁違う家具は珍しく、両極端となる製品については生産国も含めてまったくの別物となることは理解できると思われるものの、それではどの程度の価格帯が適正価格になるのか一般の方々にはまったく分からない世界だと思われます。

 

多少なりともその分野に携わる人であってもメーカー各社の実際の考え方や思惑までは理解することは難しいとも思われ、不透明な部分が少なくないことからも更に分かりにくくしているものとも感じられます。

 

尚且つ、一般的に多く目にするソファにおいては耐久性がいずれも高くないことからもその程度で使えなくなるのであればこの程度の価格でなければ購入できないとの意識面が通常化しているようにも感じられます。

 

結果として日本におけるソファ市場は成熟とは程遠い状況にあるもので、発展途上とも言えない現実には残念な気持ちになります。

 

おそらくですが、メーカー各社は「ここまでで充分」との勝手な指標を掲げているように思われ、この背景には一般消費者の意識面があるとも思われます。

 

つまりソファに対して望むことが高くないように感じられ、このことは一度失敗しているのでそれ以上を望んでも無駄との意識面も根底にあるようにさえ感じてしまいます。

 

言葉は悪いですが、もしかすると諦められた期待されていない業界がソファ業界かもしれず、その点においてもソファは一般的に思われているような消耗品ばかりではないことを周知させたいとの思いです。

 

同時に、座り心地や寝心地が良く耐久性が高いソファを設置することにより家族団らんの場も自然と設けられることに加えて、様々なソファの価格バランスについても唱えていきたいとの気持ちです。

「販売後の対応」

先日は何故だか分かりませんが、近隣他社にて購入された他社ソファについて質問等の連絡が入りました。

 

具体的なショップ名については明かさずに相談したいとの希望ともあり、率直なところかなり戸惑うことになったものです。

 

それゆえ購入された店舗に問い合わせいただくことをお勧めしたところ、その過程も経たうえでこれ以上頼りどころがないとのことで連絡された様子でした。

 

切羽詰まった状況だと感じられたこともありお話をお聞きすることになったのですが、お子様が鳥アレルギーを発症されたとのことで、フェザーを用いたクッションについての現実を知りたいとの内容です。

 

それゆえ、良質なハンガリー産グースのスモールフェザーを用いた製品であっても鳥アレルギーが発症するリスクはゼロではないことを大前提としつつ、今までに経験している数例の現実について説明することになりました。

 

確率的には限りなくゼロに近いものの、実例について包み隠さず説明したことに信頼感を覚えていただいたようで、反対に購入店舗の対応についてはかなりの不信感を抱かれたようです。

 

内容をお聞きしたところ、フェザーのデメリット部分については販売時にすべて説明済だとか、フェザーからは白っぽい埃のようなものが発生するため、それを受け止めているファブリックカバーを定期的に掃除機で吸い取る必要があるとの対処方法も説明されたようです。

 

もしもそのことが真実ならば納得して購入に至ったのか疑問ですが、いずれにしても他に頼るところがなかったようで、とても参考になったとのことである意味において納得された様子でした。

 

デメリット部分も含めて説明済ゆえお客様の自己責任との基本姿勢だった様子からも、おそらく同様の事案が少なくないことも推測できます。

 

今回において最も残念なことは、自分たちの製品の良さについて充分伝え切れていなかったことにあるため、ユーザー様の幸せをもっと真剣に考えるきっかけになりました。

「配送」

仕事柄ソファの納品に立ち会うことが少なくありません。

 

近年では猛暑が当たり前になってしまったこともあり、その時期の立ち合いも決して容易なことではないのですが、現場にて実際の作業を行う配送員の方々の苦労も実感することが多くなっています。

 

暑さ対策としてファン付きベストを着用されている方も一部に見られますが、ほとんどにおいて通常の作業服姿となることからも大汗をかきながらの作業となります。

 

搬入先がご新築物件になると搬入時にはエアコンが取り付けられていないケースも少なくなく、その場合は室内作業においてもかなりの負担が掛かります。

 

重量のあるソファの組み立て作業も加わると相応に時間も要しますし、軽作業の部類には入るもののやはり時間の経過と比例するように相応に汗もかきます。

 

このことは体温調節のための生理現象ともあり致し方ないことなのですが、本音を言いますとそのような状況下でも少しばかり気遣いしてもらえると助かるとの気持ちです。

 

タオルを持参され汗を拭いながら作業される方も見られるものの多くの場合は汗を拭う暇もないようで、搬入先の床面に汗がしたたり落ちてしまうことも珍しいことではありません。

 

立ち会い者としてお客様には不快感を与えないようにするためにそれらを拭き取ることも珍しいことではないのですが、時には製品自体に汗が落ちてしまうこともあり、それがソファのファブリックとなると決して気持ちいいものではないでしょう。

 

自身も同じように汗でずぶ濡れになってしまうことも少なくないことからも心情的にそのことを指摘することも難しいものの、配送自体のクオリティを高める趣旨においてはあえて苦言を呈さなければいけないこともあります。

 

心待ちにしていた製品が届けられる納品日はそのお客様にとってのそれらとのお付き合いが始まる瞬間となるため、やはり立ち会うことの重要性を痛感しているところです。

「アレルギー」

ソファのクッション材として水鳥から採取したフェザーを用いた製品は少なくありません。

 

ダウンと呼ばれる高級素材もありますが、これは保温性に優れているものの羽の軸がないことからも復元力には劣ります。

 

いずれにおいても天然素材となり、それに代わる人工的な素材はいずれも似て非なるものとも言えるかもしれません。

 

グースの良質なスモールフェザーを用いていることからも経験上の確率は限りなくゼロに近いものの、稀にフェザーやダウンに対してアレルギー反応を示されるケースもあります。

 

その場合はアレルゲンとなるものを身の回りから遠ざける必要があるため、例えばソファクッションの素材としてフェザーが用いられていればそれを別の素材に替える必要があります。

 

疑似フェザーなるポリエステル粒綿を用いる選択肢もあるのですが、経験上フェザーのしっとりとした、包み込まれるような感触とは程遠いもので、また耐久性においても限界があることからも積極的に用いることはなかった経緯も思い出されます。

 

それに代わる方法として、最近では特殊なウレタンを複雑に積層することによりフェザーリッチな感覚も持たせながらしっかりとした復元性も備えたクッションも開発することになっています。

 

すべてに高密度ウレタンを用いることにより耐久性においてもとても優れていますので、それが広く普及することにより「ウレタン=へたる」との負の印象は払拭されることにも繋がるとも思われるものの、コスト面もあり高級品にのみ使用されることが現実でしょう。

 

レアケースともありアレルギー問題だけではなく、動物由来の天然素材だけが持つクッション性を他の素材で代用できるように開発スピードを増す必要性があるように感じています。

「地域ブランディング」

日本における家具産地と言われるところは各所に存在しています。

 

多少なりとも一般の方々にも馴染みがあるとすれば、旭川(北海道)・飛騨(岐阜県)・静岡・府中(広島県)・徳島・大川(福岡県)といったところでしょうか。

 

細かなことを言えば他にもあると思われますが、あくまでも代表的な産地を記したことを確認しておきます。

 

家具産地と言われるようになった背景としては各々の歴史もあるでしょうし、創業者の方々の苦労もありそのように認識されるまでに至ったものと思われます。

 

最盛期と比較すると残念ながらその数はかなり減っていることは共通点かもしれず、結果として純粋な日本製となる製品の絶対数もかなり減ったことも事実でしょう。

 

海外製となる安価な製品が普及することになり、いつしか多くの家具は耐久消費財ではなく消耗品になってしまったことはとても残念な気持ちです。

 

代をまたいで良い家具を受け継いでいく文化もなくなってしまう現実もまた寂しい気持ちになってしまうのですが、そのような感情自体既に古臭いと言われるような気もします。

 

そもそも前記の家具産地においても若い世代においては???となってしまうのかもしれませんが、各々の産地には「産地」と言われる体(てい)にて残ってもらいたいとも考えています。

 

そのためには改めて産地としてのブランディングも必要だろうとも思っており、それにより歴史的な背景も知らしめることは相応に意味があることだとも考えています。

 

少しでも関心を持つことにより結果として愛着を持って末永く使い続ける意識に繋がればそれに越したことはありません。

 

また、そのようなストーリーも継承するような意識になれば自然と純日本製のアンティーク家具も生まれるのだろうとも考えています。