「地域ブランディング」

「地域ブランディング」

日本における家具産地と言われるところは各所に存在しています。

 

多少なりとも一般の方々にも馴染みがあるとすれば、旭川(北海道)・飛騨(岐阜県)・静岡・府中(広島県)・徳島・大川(福岡県)といったところでしょうか。

 

細かなことを言えば他にもあると思われますが、あくまでも代表的な産地を記したことを確認しておきます。

 

家具産地と言われるようになった背景としては各々の歴史もあるでしょうし、創業者の方々の苦労もありそのように認識されるまでに至ったものと思われます。

 

最盛期と比較すると残念ながらその数はかなり減っていることは共通点かもしれず、結果として純粋な日本製となる製品の絶対数もかなり減ったことも事実でしょう。

 

海外製となる安価な製品が普及することになり、いつしか多くの家具は耐久消費財ではなく消耗品になってしまったことはとても残念な気持ちです。

 

代をまたいで良い家具を受け継いでいく文化もなくなってしまう現実もまた寂しい気持ちになってしまうのですが、そのような感情自体既に古臭いと言われるような気もします。

 

そもそも前記の家具産地においても若い世代においては???となってしまうのかもしれませんが、各々の産地には「産地」と言われる体(てい)にて残ってもらいたいとも考えています。

 

そのためには改めて産地としてのブランディングも必要だろうとも思っており、それにより歴史的な背景も知らしめることは相応に意味があることだとも考えています。

 

少しでも関心を持つことにより結果として愛着を持って末永く使い続ける意識に繋がればそれに越したことはありません。

 

また、そのようなストーリーも継承するような意識になれば自然と純日本製のアンティーク家具も生まれるのだろうとも考えています。

「クレーン搬入」

大型家具の搬入面については過去に何度か記してきました。

 

戸建ての場合は2階や3階がリビングとなることも少なくなく、大型家具においては階段上げによる搬入が難しいことがとても多いものです。

 

その場合は腰窓やベランダ等の掃き出し窓より手吊りにより搬入することが多いのですが、これも条件が揃わないと難しいケースも少なくありません。

 

小さく分解できる仕様であれば階段上げ搬入も可能になるものの、物理的に難しい大型家具も少なくないことからも最終手段としてクレーンを用いることになります。

 

もちろん吊り上げ搬入口となる窓の近くにクレーン車(ユニック車)を横付けできることが条件になりますので、その点において決して最終手段ということでもないのですが、ユニック車の手配は別途必要となることからも可能な限りこれを用いることなく搬入を終えることを優先させることになります。

 

その場合はやはり立ち合いが必要不可欠とも言えるもので、最近はその搬入方法が増えていることからも業者により荷扱いの方法や作業の進め方に違いがあることを実感することになっています。

 

先日は初めて依頼する業者にその作業をお願いすることになり、初回ともあり終始立ち会うことにしたのですがとても満足できる作業ぶりでした。

 

その物件は2階の腰窓が唯一の搬入口となるもので、事前に窓を外してもらったものの有効開口部は決して広くないことからも業者からは渋めの物件と評価されていたものです。

 

クレーン部分を操作するオペレーターはリモコンを用いて細かく操作されるもので、搬入口となる窓付近に近付くとその操作や指示も更に細かく気持ちいいくらい的確なものです。

 

いろいろな物件を経験してきたことを感じさせるもので、今後においても安心してお任せできることを伝えたところ、「この仕事だけを30年やってますので…」と返されました。

 

やはり何事も経験が大事なことを実感することになった瞬間でした。

「現地調査」

ソファにおいては一般的な置き型タイプとは別に、いわゆる造作ソファというものがあります。

 

多くの場合はご新居を建てられる際にその選択肢も検討されるようで、それゆえその場所は設計時に決まります。

 

必然的にテレビの設置場所も決まることが多く、一般的には隣接するダイニングスペースにおいてもテーブルの形状や大きさ・チェアの数量も含めて概ね設計段階で決まるものと思われます。

 

しっかりとしたゾーニングが成されるということですので、設計時には実際の暮らし方も具体的にイメージすることになるのでしょう。

 

その点において一定のメリットがあると思われ、絶対数としては決して多くはないものの相談を受けることも少なくありません。

 

先ずは設計図を確認することになり、平面図上のサイズは当然のこととして、それ以上に高さ関係が重要になります。

 

座り心地においてはSHやSDと言われる座面高と座面奥行の関係性が大事ですので、設計の段階で相談を受けることにより完成品の満足度は確実に高まります。

 

施工前ともあり細かな仕様変更が可能になるためで、このように設計上の仕様が決まった後に行わなければいけない作業に現調があります。

 

基本的には設計通りに施工されるものの、やむを得ない現場合わせ等により多少は仕上げ寸法が異なることは比較的よくあることです。

 

そのスペースに設置される座/背クッション等の製作サイズを確認することが主目的となるのですが、現調にはもっと大きな意味合いがあることを実感することになります。

 

施主家族がイメージされる理想の暮らしぶりが見えてくるもので、そのクッション性やソファとしての基本性能に間違いはないのか…等の最終確認を行うことになり、完成後の仕上げとして施主様家族の表情より完成度を見極めることになります。

「仕立て」

仕立ての良い○○等、一般的には洋服や着物に対して用いられる表現だと思われます。

 

一品一品手仕事にて丁寧に作り上げられた印象となり、そこには職人技も感じられるものです。

 

縫製品に用いられることが一般的とも思われ、その点においてソファの表皮材にも当て嵌めることが出来るだろうと考えています。

 

一般的なソファは製造コストを抑えるためにも量産品が多いもので、それゆえ安価だと感じられる価格帯製品が少なくないことからも広く使用されているものと思われます。

 

その多くは日本製でもないようで、率直なところそれらは仕立てが良いとは感じられないものになります。

 

これは個人的な感覚かもしれませんが、ソファや椅子は人間が直接触れる家具となることからもディテールに自然と目が行きがちで、細かな縫製仕様についてもとても気になってしまいます。

 

経験上、型出し/裁断/縫製のクオリティと製品としての全体クオリティは明らかに比例しているようにも感じられます。

 

公共の場に多い印象ですが有名な海外ブランドソファや椅子のリプロダクト品を目にすることがとても多いもので、それらは縫製等のディテールをチェックするまでもなく佇まいがまったく違うものです。

 

その理由を追及すべくディテールを確認することになるのですが、きっちりと角が出ていなかったり設けるべく面が曖昧になっていたりと…いろいろと気付くことになります。

 

美大時代の椅子製作の実習において、良かれと思って施した坊主面に対して手を入れられた金ヤスリ一本の一引きにて一気に全体の印象が引き締まったことを今でも鮮明に思い出されます。

 

明確な規則性があるものではないものの、仕立ての良さはその製品の良し悪しを決めるディテールにあるのだろうと考え大事にしています。

「アングル」

アングルと聞くとチャンネルとセットにてイメージされる方も少なくないかもしれませんが、それらは建築鋼材となりここでは違う意味合いとなります。

 

一般的にはカメラアングルのことを言い、つまり撮影する際のカメラの角度のことを指します。

 

また、そこから転じてモノの見方や観点のことを指すこともあるもので、個人的にはすべてにおいてこれが大事になるだろうと考えています。

 

少なくとも当方の時代では美大に入学する際には静物デッサンは必須科目でしたし、ある卓上静物に対して周りを囲うように受験生の場所(席)が定められます。

 

対象物に最も近い場所ではお風呂の椅子のような低い席となり、最も遠い場所では立ち席になります。

 

その場所は入室する際にくじ引きにて決められるもので、その点において公平なのですが、その場所によりデッサン画としての見栄えがまったく違ってくることが大きな問題点です。

 

絶対的な画力があれば少々不利なアングルであってもカバーできるのでしょうが、当時はその場所により合否が決まるとまで言われていたことが思い出されます。

 

同じモノを見るにしてもそのアングルにより見え方や感じ方も変わるもので、ある静物に対して真正面では奥行き感も表現しにくく画として単調に見えたりもします。

 

イーゼルの位置は一切動かすことはできませんので、自身の首を多少横方向に振ることによりカバーすることも常でしたが画面と視線の位置が常に変わることもあり相応に難しさを伴います。

 

純粋美術ではないデザイナーにおいてもモノの形を正確に捉える技術力は必須との考え方のもと入学後もデッサンの授業はありましたし、その基礎があっていろいろなアングルからの見え方も考えながらデザインする意識に繋がっていると思っています。