普段何気なく見ているものも、カメラのファインダー越しだと違って見えることは珍しいことではありません。
これはいわゆるライブビューとして小さな液晶画面から見える画像ともまた違ったものになります。
大きな違いは小さなファインダーに片目を接眼させて覗くことにあり、この物理的な動作が意識面にも大きな影響を及ぼすものと考えています。
片目で覗く動作ゆえの意識の集中度はまったく違いますので、よく言えば見えないものが見えてくるのですが、反面粗も見えてきます。
多くの場合は細かな粗が見えてきますので、それを映像として残す意識としては当然のように綺麗に整えたくなります。
また、画作りの観点からは普段とはあえて違うアングルを探ることになりますので、このことも普段は感じていないものを気付かせることにも繋がります。
一方では、普段は見えないところゆえその部分を綺麗に整えることの意味合いについては疑問視されることもあるかもしれませんが、ここから先はそれが気になる/気にならない、の話になるのだろうと思います。
神経質だと思われる可能性も否定できませんが、少なくとも写真撮影におけるスキルとしてはこの意識面は必要になるものと考えています。
無造作にシャッターを切るだけでは決して良い写真は撮れませんし、最低限の撮影技術は必要なものの、それ以上に必要なことは被写体を見極める意識面にあるのでしょうし、少なからずセンスが必要になるのでしょう。
それと同時に、気になる部分に気付く意識面も重要なのでしょうし、またどうすればそれが解消されるのか技術的な知識も多少なりとも必要になるものと思われます。
もしかするとそれらを併せ持つことが美的センスなのかもしれません。