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家具デザインを志した頃の気持ちは既に取り戻すことは難しいのかもしれません。

自身の場合は中学生の頃までさかのぼりますので普通であればかなり困難とも言えますが、その当時は確かな気持ちではなかったこともあり逆に意外と明確に思い出すことが出来ます。

その後は相応に紆余曲折があったのですが、すべてが今に繋がっていると考えれば程よくいろいろなことを経験したように感じますし、また決して遠回りしたようにも感じません。

相応に経験を積む過程ではいろいろなこともあり、時には迷うことも少なくないのですが、そんなときにはデザインの基本を再確認することになります。

最も重要なその役割を再確認することにより、いろいろな迷いは不思議とスーっと消えていくものです。

売れるデザインについてはデザイナーとしての感性の部分が小さくないものの、意図的に工夫する場合も少なくありません。

いわゆる「抜きどころ」にあり、「やり過ぎないこと」と表現すると分かりやすいかもしれませんが、一般的にはすべてにおいて恰好良さを意識することからもこれは意外と難しいこととも言えます。

このことは単なるデザイン性に絞ったことで大事な要素はその他にも多く存在しますし、その中でも特に製品クオリティが重要なことは間違いありません。

しかしながら家具においては不思議とこの意識が低いとも言え、単に製品価格ばかりを気にするところは否定出来ないようです。

「安くなければ売れない」との神話が根強く残っているためですが、一般消費者の方がある意味見る目を持っていますので、それから逃げているだけのようにも感じます。
品質と価格のバランス面については特に厳しい目で判断されることになりますので、すべてにおいて原点に立ち返ることで見えてくるものがありそうです。

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