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かつての民主党政権時代の事業仕分けの一幕で「2位じゃダメなんでしょうか?」との質問は今も強く印象に残っています。

仮に結果として2位に終わったとしても、当然のこととして1位を目指して開発に取り組まなければいけないことが多くあることは間違いありません。

先日幕を閉じた2016リオオリンピックにおいては、日本人であれば誰もが意外性を持って受け止めた2位がありました。

酷なもので、2位である銀メダル受賞者が唯一最後には負けを喫して表彰式に臨むことになりますので、1位や3位との対象的な姿には何かしら感じるものがあったのではないでしょうか。

一方では、同様に注目されながらも印象としては常に2番手だった選手が1位の金メダルを獲得し、結果だけ見れば意外と「そんなものなんだろうな」と思うことになりました。

銅メダリストの3位よりも上位なのですが、1位とのその差はそれ以上に大きく感じることになり、選手にとってはやはり「2位じゃダメなんだろうな」と思った瞬間でもありました。

家具開発においても同様で、2位を目指して取り組むようでは本当の進歩は望めないのかもしれません。

ソファは特にですが、日本においてはその歴史や文化が浅いだけに欧州諸国のそれよりも劣っているとの想いは小さくなく、そのような中で1位を目指すなんて大それたことを考えること自体謙虚さに欠けるのではないかとの意識も先行してしまいます。

謙虚さは日本人独特の美学でもあり、個人的にこれは絶対忘れてはいけないことだと肝に銘じていますが、製品開発においてはそのような意識は一時的に外して取り組まなければ最高のものは生まれないのかもしれません。

現実を正しく受け止め、その中での謙虚な姿勢は忘れることなく、開発においては常に1位を目指して取り組みたいとの気持ちを新たにしているところです。

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