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残念なことに、古くからその製造を手掛けてきた純粋な家具メーカーの数は年々減少していくようです。

これは家具業界に限ったことではないのかもしれませんが、長く家具を作り続けて来られたメーカーの廃業や倒産の情報を耳にすることは多少なりとも心が痛みます。

メーカーからスタートし小売店に転換されたケースも見られ、同じ業界でもポジションを180度変えることで会社を存続されているところも少なくないようです。

一方、小売店からスタートし、その経験を活かして最初は間接的にモノづくりを始められるところも少なくなく、やがては国内外に自社工場を持たれて展開されるところも見られます。

これらはいわば新興メーカーと言えるでしょうが、古くからのメーカーに対してはこれらに負けないように頑張ってもらいたいとの率直な気持ちです。

この感情の背景としては、市場のニーズの本質を見極めることが出来なかった結果として廃業や倒産に追い込まれたのだろうとの意識にあります。

すべてがそれに当て嵌まるかは別として、「売れるものを世に送り出すことが出来なかった」もしくは「それを売れるように働きかけることが出来なかった」ことは間違いありません。

この観点から見れば小売店がメーカー機能も持ち、それを自らの手で販売することが最も理に適っているようですが、これもまた容易なことではありません。

確かに売れそうなモノを作り出すことには長けているのかもしれませんが、モノづくりの本質を習得するためには相応に時間を要するからです。

間接的な製品開発もそれに当て嵌まり、結果として表面的な製品が多く開発されているようにも感じられますので、やはり製品の本質の見極めはそれが生まれてきた本当の背景も知ったうえでの総合判断が大事になると考えます。

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