個人的には「和モダン」とか「ニッポンモダン」との表現はあまり好きではありません。
元来モダンは西洋文化由来のものであり、日本ではそれをそのまま持ち込むよりも何処かに日本的な要素を取り入れた方が日本人にはよりマッチするだろうとの考え方がベースにあるのかもしれません。
その考え方自体否定するものではないこともあり、これは単に好き嫌いの問題かもしれませんが、個人的には何だか中途半端な気がしてなりません。
先日はある方より「欧州デザインと同じようなものを日本人が描いたとしてもどうしても何かが違うんだよね」とのお言葉がありました。
欧州デザインのように洗練されていないとでも言いたかったのかもしれませんが、比較されているだろう欧州製品と違うことはある意味当然のことだと考えています。
すべてが欧州テイストのデザイン性である必要性はありませんし、そのデザイン性がすべてでもありません。
モダンデザインのジャンルでは日本人は太刀打ちできないとの意識が背景にあるのかもしれませんが、「もっと誇りを持ちましょうよ」との気持ちです。
おそらくはデザインソースが欧州諸国のそれとなることが少なくない現実があるようにも感じており、それをソースとすることで既にオリジナルを超えることは難しいと考えています。
人間が家で使う道具であることからも、家具の世界で究極のオリジナリティーを追求することは容易なことではなく、結果として「どこかで見たような…」とのデザインが多く生み出されているものと思われます。
そのように感じさせないデザインを生み出すことだけでも困難だと言えますが、オーセンティシティの世界では日本人デザインであることの誇りを持って、今後においてもそれを追求し続けたいと考えています。