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ソファをデザインする際には、一部の例外を除き当初設定される最大サイズにてバランスを取ることになります。

それがいわゆる3Pサイズだとすれば、それよりも小さな2Pサイズとした際には、厳密に言うとデザインバランスは最高のものとはならないと言うことになります。

例えばソファのアーム部については、3Pサイズのものよりも2Pサイズのものの方が若干幅は狭く、高さは低く設定されなければいけないのかもしれません。

しかしながら製造コストのことを考えるとそれは難しいことが現実ですし、結果として全体としての販売価格がアップすることは避けるべきでしょう。

先日はオーセンティシティソファを気に入られた方より、設置スペース上の問題より大きな3Pサイズは難しいためひとつ小さな2.5Pサイズを検討したいのだが、デザイナーとしてこだわっているバランス面において納得したいとの内容がありました。

単純な質問として、例えばドラえもんのスモールライトを用いて若干スケールダウンすることで問題はないのでは…との発想です。

もちろんその通りでそれの究極の形が縮小模型になるのですが、それを使用される人間もまたそれに合わせて縮小されなければいけないことをお伝えすると、苦笑されながら大きくうなずかれました。

ソファはそもそも人間が使用することを想定しており、人間工学の観点から重要な基本サイズを設定することになります。

人間が快適に使用する家具であるだけに機能性を無視したものは単なる線のお遊びと言うことになりますので、このことは終始一貫して大事にする必要があります。

価格においても重要な要素となりますので、すべてにおいてバランス感覚を持ち、どのようなサイズであっても決してデザインバランスが崩れるようなことにならないように充分配慮することがデザイナーの務めでもあります。

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