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あえて一度原点に立ち返ってみたいと思います。

ソファのない生活を思い浮かべると、自宅での寛ぎの場所は一体どこになるのでしょうか。

それはダイニングチェアだったり、フローリングのカーペットの上だったり、畳がある場合はその上だったりするのでしょう。

その姿勢を思い浮かべると、ダイニングチェアの場合オプションは少ないものの、床面での寛ぎの姿勢はいろいろとありそうです。

座椅子のようなものを使ったり、時には横になったりと、いずれにしても背もたれがないとずっと座っていることは難しそうに感じます。

一方ソファを設置しているにも関わらずよく耳にする姿勢として、フローリング上に座りながらソファを背もたれ代わりに使用されるスタイルがあります。

おそらくソファ自体の座り心地に満足していないからでしょうし、他に考えられる要因としては、足を伸ばして背を何かに預けたいとの欲求が背景にあるものと思われます。

後者の場合は、ソファ前に設置するオットマンがあれば事足りるのかもしれませんが、どうやらそればかりが原因ではなく前者の比率が高いように感じます。

寛ぎの基本スタイルは、バランスが取れた座面と背もたれの存在が必要不可欠なようで、同じ機能性を有するダイニングチェアであっても元来使用目的が違うことからも長時間寛ぎを得ることには不向きと言えます。

ソファと比較されるものとして、いわゆるリクライナーと言われるような一人掛けの休息椅子でも充分その機能を果たすのですが、ソファとは決定的な違いがあります。

やはり家族との凝縮した触れ合いの場になるものがソファですし、その機能性は人間工学から導き出された数値を当て嵌めるだけでは表現できないものがあるのだろうと思われます。

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