「程よく」

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これほどまでに都合が良く便利な言葉はないのかもしれませんが、一方ではとても曖昧な表現とも言えます。

デザインにおいても例外ではなく、特にソファのように機能性が重要になるものほどやり過ぎない意識が必要になります。

実際使用するにあたって、元の状態から大きく形状を変化するものの典型的なものがソファであり、それゆえ形状だけをデザインすることは非常に表面的なことと言っても過言ではないでしょう。

もちろん使用されない際の形状も綺麗である必要があり、それが設置される様々な環境に程よく対応するものでなければいけません。

ある時はリビングの主役になる場合もあるでしょうし、ある時は脇役に徹して住まいの中での癒しの存在になることもあるでしょう。

そのような観点からも、程よい存在感を持たせながらも程よく目立たせない工夫も必要になり、そのことは相反することとも言えるため最も難しい部分になります。

一般的には癖が強すぎるデザインはそうはなりませんので、やはりデザインし過ぎないことが大事になりますが、オーセンティシティの場合はテーマとして積極的にデザインを加える意識もありますので、その中での程よいバランスを強く意識することになります。

もう一つのテーマとしては、印象に残るデザインであることも心掛けていますので、ある部分では良い意味での癖を持たせる必要もあります。

しかしながら決して幼稚にはならないようにしなければいけませんので、細かな面出しの部分に至るまで神経を使わなければいけません。

それ以上に大事なことは、そのデザインを忠実に再現する最高の材料と技術力が必要になることは言うまでもなく、硬いフレームと軟らかなクッションとの絶妙なバランスから生まれた程よいソファがオーセンティシティなのです。

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