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今では当たり前のように国産家具に携わっていますが、25年以上前にはインドネシアでのラタン(籐)家具の開発に携わっていたことがあります。

デザインはもちろんのこととして、現地工場での打ち合わせから始まり、試作品検品から輸入国内販売に至るまで一通りの工程に携わった経験があるのですが、国民性の違いからくる感性のギャップには最も苦労することになりました。

日本人にとっては明らかなNG製品であっても、現地の人にとっては何がNGなのか理解されないのです。

指摘箇所については理解を示すものの、それが何故いけないことなのかまったく理解できないとのやり取りが日常茶飯事でした。

常識的には考えにくいことですが、同じ製品であっても発注ロットによってアームの高さが数センチ違うことも珍しいことではなく、その指摘に対してはその程度違うことで一体何が問題なのか理解できないとの反応も決して珍しいことではありませんでした。

そのような見解は製造責任者である工場長のものであることからも、これ以上望むのであれば製造依頼先を再検討するしかないだろうとの気持ちにて収めるしかない状況でした。

以上はあくまでも25年以上前のことであり、現状においても同じ状況だとは考えにくいものの、少なくとも日本人の手による製品と比較するとそのレベルに到達するものは少ないものと思われます。

これはラタン家具に限るものではなく、かなり技術力が増し日本製との違いがほとんど分からなくなっているとの家具においても、ディテールを見ればその違いは明らかなものです。

家具においては特にですが、作り手のディテールへのこだわりが感じられたときの信頼感は更に増すことは間違いないもので、それは純粋な日本製となるオーセンティシティ家具の安定感にも繋がっているものと思われます。

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