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ソファのデザインにおいては、格好良さを意識するとロータイプ且つ大型となるように感じています。

 

背景として客層や住宅事情もあるのかもしれませんが、イタリア高級ブランドメーカー各社の製品を見るとその傾向が顕著だと思われます。

 

そのようなソファを綺麗に見せるためにも、その前に設置されるセンターテーブルの類は更にロータイプとなることからも、実際の機能性を想像した際には明らかにデザイン性が優先されていることが見えてきます。

 

一方、後頭部までホールドされるようなハイバックタイプにおいては、それを設置した際の圧迫感はさることながら、やはり格好良さを意識すると積極的にそれを描こうとはしないものです。

 

結果として別途ヘッドレストを設けることになるのですが、その機能を活かすためにも先ずは安定した座り心地とする必要があるため、背もたれの高さが重要になります。

 

一般的には肩甲骨をカバーすることが大事になりますので、必然的にSH(座面高)に対する絶対高が概ね決まってくると言うことです。

 

それらは製品サイズにて確認することも出来るのですが、ソファの場合は座面が相応に沈み込むため単に表示寸法だけでは判断できないことも事実です。

 

つまりデザイン性を求めると全体的にあまり高さがないものとなり、座り心地を代表する機能性を求めると相応な高さが必要になると言うことですので、この関係性は相反することになります。

 

ロータイプでありながらも安定した座り心地も持たせることは難しいと言うことになりますが、ソファの場合は座クッションの沈み込み具合を調整することにより背クッションとの相関関係を操作することも出来ますので、それを設計に取り入れる必要があるのです。

 

すなわち、ソファにおいてはその形状をデザインするだけではなく座り心地もデザインすることが必要になりますのでかなり奥深いものと言えるでしょう。

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