「生地感」

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ソファやチェアの張地と言われるものにはいろいろな種類があります。

最もポピュラーなものとしてファブリック(織物)があり、その組成や織り方・仕上げ処理も含めてそれこそ多種多様なものです。

もちろん価格帯においてもかなりの幅があり、その価格差については比較的多く質問を受けることになります。

一概には言えないものの、糸の使用量とは密接な関係があることからも、比較的安価な生地は薄手だったり密度が粗かったりするものです。

その反対に、比較的高額となる生地においては厚手で密度が細かくなるものが多く、仮にそれほど厚手ではなくとも例えばシルクやウールのように素材自体が高額となるものもあります。

他の要素としては、織り方が複雑なものも少なくなく、それゆえの表情もかなり豊かなものですし、シルクやヴィスコースを用いたものは光沢感も生まれますので上質な高級感も増してきます。

以上は質感や視覚的な要素となるのですが、ソファにおいては特に肌に触れることが多いことからも、その触感もまた重要な選定基準になると思われます。

例えばベロア地のようにやわらかく温かな触感を好まれる場合もあれば、リネン地のようにサラっと冷たく感じられる触感を好まれる場合もあります。

一般的に椅子張り地と言われるものには明らかな季節感はないものの、カバーリング仕様であれば季節に応じてカバー交換もできますので、色味においても暖色や寒色を用いることで見た目の印象を大きく変えることも可能です。

更に、生地の織り方や厚みにより大きく違ってくるものとして、それ自体の張り感により、例えばフェザーを多く用いたやわらかな座面であっても中材の凹凸を拾うことが良い意味で鈍感になります。

それにより比較的綺麗な状態を保つことも可能になり、またファーストタッチの感触にも若干の影響を及ぼすことからも、いろいろと試したうえで選定されることをお勧めします。

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