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家具の構造体としては、代表的なものとして木とスティールがあると思われます。

スティールの場合は一般的に木よりも強度があることからも、細かったり薄かったりとしたフレームデザインも可能になります。

また、相応に荷重が掛かるチェア等、木だけでは不可能なカンティレバータイプ(片持ち式)のデザインも可能になります。

代表的なものとしてブロイヤーのチェスカチェアがあり、やはりこのようなデザインは木だけで実現することは難しいものです。

同じような意味を持つ形状としてはリートフェルトのジグザグチェアがあり、これは木だけで強度を保持するギリギリの形状だと言えるでしょう。

このように用いる素材によりそのデザイン性も違ってくるのが一般的なのですが、スティールを用いることによりコストアップになるとの理由から、そのように見えるような黒色の塗装を施した木が用いられた製品も時折目にします。

それがデザインと言うことであれば意見することは一切ないものの、スティールに見せかけるために塗装を施した木を用いると言うことについては如何なものか…との率直な感想です。

やはり素材感を活かしたデザイン性や機能性が望ましいと思われ、仮に背景としてコスト面があったとしても、それが適正価格だと自信を持って発表出来る製品開発を行うべきだろうと考えます。

すっかり定着化したウッドショックと言う言葉ですが、それは木材に限定されないことからも特に家具においては値上げラッシュの状況となっています。

それだけに苦肉の策とも感じられるようなものも自然と発生するのかもしれませんが、やはりどうしても矛盾点は見えてきますので、根本的な対策が必要になりそうですし、それが真に良い材料を用いた真摯な製品づくりだろうと考えています。

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