「現地調査」

「現地調査」

ソファにおいては一般的な置き型タイプとは別に、いわゆる造作ソファというものがあります。

 

多くの場合はご新居を建てられる際にその選択肢も検討されるようで、それゆえその場所は設計時に決まります。

 

必然的にテレビの設置場所も決まることが多く、一般的には隣接するダイニングスペースにおいてもテーブルの形状や大きさ・チェアの数量も含めて概ね設計段階で決まるものと思われます。

 

しっかりとしたゾーニングが成されるということですので、設計時には実際の暮らし方も具体的にイメージすることになるのでしょう。

 

その点において一定のメリットがあると思われ、絶対数としては決して多くはないものの相談を受けることも少なくありません。

 

先ずは設計図を確認することになり、平面図上のサイズは当然のこととして、それ以上に高さ関係が重要になります。

 

座り心地においてはSHやSDと言われる座面高と座面奥行の関係性が大事ですので、設計の段階で相談を受けることにより完成品の満足度は確実に高まります。

 

施工前ともあり細かな仕様変更が可能になるためで、このように設計上の仕様が決まった後に行わなければいけない作業に現調があります。

 

基本的には設計通りに施工されるものの、やむを得ない現場合わせ等により多少は仕上げ寸法が異なることは比較的よくあることです。

 

そのスペースに設置される座/背クッション等の製作サイズを確認することが主目的となるのですが、現調にはもっと大きな意味合いがあることを実感することになります。

 

施主家族がイメージされる理想の暮らしぶりが見えてくるもので、そのクッション性やソファとしての基本性能に間違いはないのか…等の最終確認を行うことになり、完成後の仕上げとして施主様家族の表情より完成度を見極めることになります。

「仕立て」

仕立ての良い○○等、一般的には洋服や着物に対して用いられる表現だと思われます。

 

一品一品手仕事にて丁寧に作り上げられた印象となり、そこには職人技も感じられるものです。

 

縫製品に用いられることが一般的とも思われ、その点においてソファの表皮材にも当て嵌めることが出来るだろうと考えています。

 

一般的なソファは製造コストを抑えるためにも量産品が多いもので、それゆえ安価だと感じられる価格帯製品が少なくないことからも広く使用されているものと思われます。

 

その多くは日本製でもないようで、率直なところそれらは仕立てが良いとは感じられないものになります。

 

これは個人的な感覚かもしれませんが、ソファや椅子は人間が直接触れる家具となることからもディテールに自然と目が行きがちで、細かな縫製仕様についてもとても気になってしまいます。

 

経験上、型出し/裁断/縫製のクオリティと製品としての全体クオリティは明らかに比例しているようにも感じられます。

 

公共の場に多い印象ですが有名な海外ブランドソファや椅子のリプロダクト品を目にすることがとても多いもので、それらは縫製等のディテールをチェックするまでもなく佇まいがまったく違うものです。

 

その理由を追及すべくディテールを確認することになるのですが、きっちりと角が出ていなかったり設けるべく面が曖昧になっていたりと…いろいろと気付くことになります。

 

美大時代の椅子製作の実習において、良かれと思って施した坊主面に対して手を入れられた金ヤスリ一本の一引きにて一気に全体の印象が引き締まったことを今でも鮮明に思い出されます。

 

明確な規則性があるものではないものの、仕立ての良さはその製品の良し悪しを決めるディテールにあるのだろうと考え大事にしています。

「アングル」

アングルと聞くとチャンネルとセットにてイメージされる方も少なくないかもしれませんが、それらは建築鋼材となりここでは違う意味合いとなります。

 

一般的にはカメラアングルのことを言い、つまり撮影する際のカメラの角度のことを指します。

 

また、そこから転じてモノの見方や観点のことを指すこともあるもので、個人的にはすべてにおいてこれが大事になるだろうと考えています。

 

少なくとも当方の時代では美大に入学する際には静物デッサンは必須科目でしたし、ある卓上静物に対して周りを囲うように受験生の場所(席)が定められます。

 

対象物に最も近い場所ではお風呂の椅子のような低い席となり、最も遠い場所では立ち席になります。

 

その場所は入室する際にくじ引きにて決められるもので、その点において公平なのですが、その場所によりデッサン画としての見栄えがまったく違ってくることが大きな問題点です。

 

絶対的な画力があれば少々不利なアングルであってもカバーできるのでしょうが、当時はその場所により合否が決まるとまで言われていたことが思い出されます。

 

同じモノを見るにしてもそのアングルにより見え方や感じ方も変わるもので、ある静物に対して真正面では奥行き感も表現しにくく画として単調に見えたりもします。

 

イーゼルの位置は一切動かすことはできませんので、自身の首を多少横方向に振ることによりカバーすることも常でしたが画面と視線の位置が常に変わることもあり相応に難しさを伴います。

 

純粋美術ではないデザイナーにおいてもモノの形を正確に捉える技術力は必須との考え方のもと入学後もデッサンの授業はありましたし、その基礎があっていろいろなアングルからの見え方も考えながらデザインする意識に繋がっていると思っています。

「大木(たいぼく)」

先日は納品のために少々遠方まで出掛けたこともあり、少しばかり足を延ばして有名な神宮にも行ってみました。

 

さすがに小さな規模のいわゆる神社ではないことからも、参道の両側に立ち並ぶ大木の迫力には久しぶりに圧倒されたものです。

 

その厳かな雰囲気からも単なる風景から感じられるもの以上に心に響くものがあったもので、ある意味とても不思議な感覚でした。

 

当方は石川県の小さなローカルスキー場の麓で生まれ育ったこともあり、当然のように山々に囲まれた環境でした。

 

標高こそそれほど高くはなかったものの、記録にも残るような豪雪地帯ともあり小さな頃より雪とは触れ合う機会も多く、ウインタースポーツだけではなく冬季期間中は除雪のお手伝いも必然だったことも思い出されます。

 

北陸の雪は水分が多いことからもかなり重く重労働になるのですが、決して短くなかった玄関までのアプローチを綺麗に除雪し終えた時の快感も今でも思い出されます。

 

学校より帰宅して宿題に取り掛かることなく真っ先に除雪作業を行ったもので、何度も何度も同じ作業を繰り返すことにより徐々に綺麗な通路が顔を出すことに面白みを感じていたようにも思われます。

 

冬ですので日が暮れる時刻も早く、暗くなってもなお黙々と作業を続ける姿に両親からはそのくらいで止めるように声を掛けられたことも記憶に新しいものです。

 

思い起こせば、小学校に入学する前より黙々と工作することが大好きでしたし、何事にも没頭してしまう癖は今でも抜けることはありません。

 

とても不思議なことですが、このような小さな頃の思い出も鮮明に思い起こされるきっかけになったものが立ち並ぶ大木だったように感じ、何とも不思議な感覚を覚えています

「ソファメンテナンス」

ソファのクッション中材にフェザーを用いた仕様においては、すべてをウレタンにて構成された仕様と比較するとふんわりと包み込まれるような座り心地を得ることができます。

 

身体の形状に沿うことにより体圧分散性にも優れ密着度も増すのですが、その特性からも空気の層が保たれますので、寒い季節は暖かく、また暑い季節でもべとつくことも少なくとても快適なものです。

 

同じ水鳥でもダックよりもグースの羽が上質だとされ、いわゆる動物臭もほとんど感じられないことからも大量に用いることも可能です。

 

もちろんそれだけではクッション性に芯がないことからもサポート力に欠けるため、ベース部にはウレタンを仕込むことも一般的です。

 

そのウレタン層にてクッション性を調整することも可能なことからもある意味とても理に適った仕様かもしれません。

 

一方その特性からも多少なりとも座り跡が残ることもあり、そのままの状態では決して綺麗とは言えないことからも時折メンテナンスを行うことが望ましいものです。

 

オーセンティシティソファにも使用されている上質な欧州産グーススモールフェザーは復元力も高く、日常的にはパンパンと叩きながら形を整えることにて比較的綺麗な状態を保つことができます。

 

しかしながらクッション中材を覆うカバーのズレは生じたままの状態となりますので、月に一回程度はカバーのファスナーを開け中材を膨らませながら適正な位置に戻してあげることがお勧めです。

 

カバーによるプレッシャーからも解放されるためフェザーも最大限膨らみ、空気も多くため込むことからもそのふんわりとした座り心地を最大限味わうことも可能です。

 

一方のフェザーを用いないオールウレタン仕様においては比較的形状も綺麗に保たれることからもメンテナンスの手間は減るかもしれませんが、定期的なメンテナスを行うことにより更に愛着も湧いてきますので、長く大切に使用する意識面も自然と芽生えるものです。