「明けましておめでとうございます」

「明けましておめでとうございます」

例年同様の書き出しになるのですが、早いもので新年のご挨拶も今回で18回目となります。

 

これを機に過去17回分を一度に読み返すことも慣例化しているのですが、昨年におきましては個人的に後厄だと考えざるを得ないことが多発したものです。

 

その影響は家族や親族にまで及んだようで、多くの良くないことを年末までまとめて体験することになりました。

 

突然の訃報には特に驚くことになり、すべては自分自身のせいではないかと考えてしまうような頻度に若干疲弊気味だったものです。

 

思い起こせば元日からの能登半島地震から始まっており、このような大きな自然災害は防ぎようがないものの、日々安全に過ごすことの重要性について痛感させられることになりました。

 

同時に、このことは意外と忘れがちなことも再確認することになり、何気ない日常生活が如何に大事なことなのか都度思い知ることにもなりました。

 

そのような状況下で新たな年を迎えることになり、何よりも無事平穏に生活できることを祈るばかりなのですが、「喉元過ぎれば熱さを忘れる」とでも言うのでしょうか、このような気持ちも一年間を通して維持し続けることは難しいことも承知しています。

 

つまり少々無理をしたとしても大事には至らないだろうとか、身体に少々負荷が掛かっても大丈夫だろうとの推測のもと行動していることがとても多いものです。

 

実際圧倒的に大丈夫なことの方が多いゆえの考え方になると思われますが、そうではないことが起こった際にはかなりのダメージを受けることになりますので、ともかくも何気ない日常が当たり前ではないことを肝に銘じて一年間を大切に過ごしたいと思っています。

「別注ソファ」

別注と特注の違いや使い分けについては以前にも記したことがあります。

一方ではどのような業界にも共通する定義はないとも思われますので、少なくともソファにおけるその違いについて整理しておきたいと考えます。

先ずは、別注とは存在する定番製品の一部仕様を変更することと定義すると分かりやすいだろうと考えています。

例えば、設定されている定番幅よりも若干大きくしたりまたは小さくしたりと、アーム形状やソファ自体の奥行きや高さ等を維持した状態でサイズ変更することは別注と表現しています。

多くの場合は設定されている三人掛けや二人掛け、またはその中間に位置付けられるようなサイズでは設置上ベストマッチしないと判断された際に総幅のサイズ変更を行うことになります。

同様に片方のアームを取り外しワンアーム仕様としたり、両方のアームを取り外しアームレス仕様としたりすることも別注の類だと判断しています。

基本的な仕様に変更がないためですが、一方では例えば背もたれ自体の高さを高くしたり、アーム自体の高さを低くしたりすることは特注と定義することにしています。

それを実現するためには内部構造体の部材を共有化することは難しく、特別パーツ加工から行う必要があるためで、それによりソファとしての基本性能にも影響を及ぼします。

もっともそのような特注の場合はそのことを意図しているのでしょうが、ソファにおいてはデザイン性と座り心地はある意味密接な関係があると個人的には考えています。

それゆえ特注することはソファ自体の基本性能も変更することに繋がりやすいため、そのあたりについては専門的な知識を有している人に相談することが失敗しないソファ選びには大事になりますし、それが成功すればベストマッチなソファを手に入れることが可能になると思われます。

「量産品」

家具においては、大きく分けると家庭用と業務用が存在すると思われます。

後者においては、一般的にそのヴォリュームがとても大きくなることからも大手事務機メーカーと言われるところが量産にて製造しているモノが中心になります。

そのメリットは何と言ってもコスト面にあるでしょうし、一方の家庭用においてはヴォリュームが限られることもあり少なくとも巨大な設備にて量産することは難しいものです。

また、ヴォリュームが大きくなることにより発注サイドとしては極力予算を抑えることが必要になりますので、各社より相見積りを取得するようなことも一般的だとも思われます。

その過程ではクオリティ面においても評価されることになるでしょうし、一般的に業務用家具は不特定多数の方々が使用されることからも一定以上の耐久性が求められるものです。

それに対して家庭用家具においては、その使用頻度からも一般的には耐久性よりもデザイン性や設置した際の雰囲気が大事にされるとも思われ、このように考えると似て非なるものと言っても過言ではないようです。

当方においても一時期業務用家具(ソファがメイン)の製造にも携わっていましたので、根本的に違うものとなることは体感しているものです。

そのような経験からも、一般的な概念を覆すような高耐久で一生ものとなるデザイン性に富んだ家庭用家具製造に携わることになっているのですが、最近では業務用家具では満足できないオフィス物件や病院の待合室物件等に携わる機会も少しずつではあるものの増えています。

両者は基本的に似て非なるものであることは間違いないものの、その境界線が少しでも薄れてくるようになれば現状以上に街中にも素敵な空間が増えてきますので、その一助となれるように意識していきたいと考えています。

「アームデザイン」

ソファにおけるアームは、いわゆる肘掛けとかアームレストと言われる機能も有することになります。

その機能性から想像できるものとして、第一に肘を置いて丁度良い高さとなることが条件となりそうです。

そうなるといわゆる応接セットと言われるものが想像でき、その名の通り応接目的となる畏まったデザイン性のものも容易に想像できるものです。

一方では、応接セットと言われて直ぐに想像できる方ばかりではないことも間違いないでしょう。

古くは応接間と言う部屋が設けられていた住宅も少なくなく、それは玄関ホールより直結の場所に設けることにより来客時にはそのスペースにて完結することが出来るようになっていました。

お客様を通す部屋ともあり、そこには他のインテリアとは少々不釣り合いとも感じられるソファが対面で設置されていたものです。

少しばかり畏まった空間ともありソファに腰掛ける姿勢も概ね限られますので、その機能性に特化したものだったと思われます。

しかしながら家庭で使用されるソファにおいてはその限りではなく、単に腰掛ける姿勢だけではない多くの寛ぎの姿勢に対応可能となることが理想形となるものです。

そうなるとアームは単なる肘掛け以外の機能性も望まれるでしょうし、一例としてアーム側に寄り掛かり座面上に足を伸ばすようなスタイルにも対応すべく背もたれ同様にアーム部が高くなっているタイプも見られます。

いずれにしてもアームはソファ全体のデザイン性に大きく影響を及ぼす部分ゆえ、その機能性もさることながら欠かせない部分とも言えますが、アームレス仕様であってもウッドフレームタイプであれば背もたれ部にその特徴を持たせることが可能なものです。

「ソファの生命線」

家具の種類はとても多く、その中でも身体に触れるチェアやソファの重要性については何度か取り上げてきました。

いずれも典型的な体感家具となり、寛ぎに直結する性質を持つことからも単なるデザイン性やスタイルだけでは選定することは出来ないものです。

それゆえ現物を試す必要もあり、その点においてその機能を有したショールーム等の必要性は言うまでもありません。

特にソファにおいてはその性質上、睡眠時間を除く間は最も長い時間を過ごすことになるでしょうし、それゆえ相応な時間試す必要があります。

その姿勢もおそらくきちっと腰掛けるだけではなく、時には座面上に上がり込んだり軽く横になったりと、寛ぎの姿勢は様々だとも思われます。

ショールームや店舗では人目があることからも実際の寛ぎのスタイルをすべて試されることは少ないかもしれませんが、それが最も重要な選定基準となることを今一度確認したいと思います。

例えばですが、畏まった状態でチョコンと腰掛けただけでは本来の座り心地は判断しようがありませんし、リュックを背負った状態のまま試されても同様に座面のクッション性のみ感じ取ることになります。

時には座面のクッション性を手で押して試されるだけの場合も見られますので、やはり遠慮されることなく思いっ切り体感することが失敗しないための必須条件になるでしょう。

また各々の寛ぎの姿勢は相応な時間を掛けて試す必要があり、結果として第一印象は悪くなくとも相応な時間試すことにより少なくとも自身にはマッチしないことを感じ取る場合もあります。

ソファにおいては座り心地の良さが脳裏に焼き付くことになり、本能的に心地良さを求めることになりますので、これがソファにおける生命線となることは間違いなく、更にはデザイン性が伴うことにより完璧なものになるのです。