家具デザインを行う上で、その機能性を無視することは出来ません。
特にソファや椅子となると人間が直接触れる機能家具となることもあり、人間工学を無視することは難しいものです。
従って、デザインは単に形を考えることではないことが理解できると思いますが、意外とそうではないものも少なくないようです。
それらの多くは、そのプロポーションやバランスがお世辞にも良いと言えないもので、更に機能性においても満足できるものでないとすれば如何なものかと思ってしまいます。
ソファの場合は、格好良いデザイン性を意識すると必然的にロータイプで大きなものに近付く傾向があります。
このことはイタリアブランド製品を見れば理解できるもので、実際それを広いリビングに設置した際の見栄えはとても良く、インテリア雑誌の表紙を飾るような憧れの空間ともなるようです。
しかしながら機能性はと言えば必ずしも最高のものとは言えないようで、反対にそれを充分満足させようとするとハイバックタイプの決して綺麗とは言えないものに寄っていきます。
デザイン性と機能性には相反する部分もあると言うことですが、このあたりを上手に融合させることが必要になります。
それが設計と言うことになるのでしょうし、この分野はデザインを考える脳とはある意味違う部分を使う必要があり、そのバランス感覚も重要になります。
機能性を優先させるばかりにデザイン性が蔑ろになったり、またその反対だったりは良い結果を生みませんので、常にデザイン/設計という意識を持つことを心掛けています。
これはすべてのことに通ずることのようですが、やはりバランス感覚が最も大事なもので、結果として生まれる機能美も少なからず意識したいものです。