日本の伝統的な家具として和家具があり、それらは日本の木材や和紙等が用いられとても丈夫に作られていた印象があります。
当然西洋の家具が浸透する前より存在していますので、日本の住環境にマッチしたものとして生まれてきた背景からも生活に根差していたことは間違いありません。
和茶棚と呼ばれるものは実家にもありましたし、20~30年前までは良い家具を扱う家具店にて扱われていたことも思い出されます。
譲り受けた欅の一枚板で作られた卓袱台はそれ以外の用途として今でも大切に使っていますし、壊れるような気配も感じられません。
一般的なアンティーク家具の定義は製作から100年以上経過していることにあるようで、丈夫に作られているものでなければそれだけの期間残ることはありませんし生活に根差すこともないでしょう。
このようにアンティーク家具が多い印象の西洋家具に限らず、和家具においても製品寿命はとても長いものが多かったものと思われます。
しかしながらソファにおいては不思議とその限りではないもので、このことは日本における歴史が浅いことだけが理由とは考えにくいものです。
体重を直に支える座面がへたりやすい製品が多かったことからも典型的な消耗品としての位置付けになったものと思われ、一般的には高額製品に分類される一部海外有名ブランドソファであっても生産国は違うこともあり製品寿命は7~8年となるものも決して珍しくないようです。
当方は自身がデザインした家具としてTVボードやダイニングテーブル以外にソファも長く使用していますが、僅か7~8年でへたってしまうこと自体不思議に感じてしまいます。
前記の卓袱台と同じようにその程度の使用期間ではへたる気配すら感じられませんし、このような感覚が当たり前に浸透するように引き続き携わっていきたいと考えています。