「体格差」

Pocket

腰掛ける椅子やソファにおいては、当然のこととして体格差によりベストなサイズや仕様が違ってきます。

 

しかしながら、一部オフィスチェアを除き一般的な仕様において都度細かく調整できるようなものは少ない現実がありますし、ここでは家庭用製品に視点を向けたいと思います。

 

エクステンションテーブル等、家具においては可変タイプのものも少なからず見られますが、都度それを行うことは予想以上に面倒なことだと思われ、結果としてほぼ同じ形状にて使用しているとの声を良く耳にするものです。

 

ソファにおいては、背もたれ部が可動式になっているものや単に設置式になっているものも見られ、それにより座面の深さを調整したり腰掛ける向きを調整したりすることが可能になります。

 

それにより少なからず体格差もカバーすることが可能になるかもしれませんし、フレキシブルに使用可能とのイメージを持たれると思われます。

 

いろいろな体格の人にマッチするとの趣旨においてそのような仕様のソファを否定するものではありませんが、何だか座る人任せのような気がして率直なところ釈然としないものがあります。

 

また、フレキシブルに対応可能と言うことは最大公約数的な機能を有していると言うことでしょうし、裏返せばすべてにおいてベストマッチとは言えないものとも感じてしまいます。

 

このことは開発サイドの視点の違いゆえ否定することも出来なければ、そのような製品が必要とされていることも否定することは出来ません。

 

結果として同様なコンセプトとなる数多くの製品が生まれてくることも事実ですし、既にソファのひとつの形状として定着しつつあるようにも感じられます。

 

それだけに、デザイン性はもちろんのこととして腰掛ける人に合わせてもらうのではなく「これでどうだ」と言わんばかりの製品を作り続ける必要もあるのだろうと考えているところです。

Pocket