「人間工学」

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以前にも記したことがありますが、「デザインとは線のお遊びではない」と大学時代にお世話になった教授より言われた言葉が今でも鮮明によみがえります。

 

本格的にデザインを学び始める学生に対して投げかける言葉としてはとても適切だと思っていますし、プロのデザイナーになるための覚悟を持たせる趣旨もあったのだろうと感じています。

 

つまりプロとしてその仕事に就くことは生半可な意識では難しいことを最初に教えていただけたもので、その教授とはご縁もあり私生活においてもいろいろとお世話になったものです。

 

残念ながら数年前には他界されたのですが、デザインの基本を教えていただいたことに対する感謝の念は常に持ち続けています。

 

一方では、デザインの基本を一切学ぶことなく自らをデザイナーと称していろいろと発信されている方々も少なからず見られます。

 

そのような方々の共通の特徴としては、やはり線のお遊びが多いことを感じ取れます。

 

おそらくそれがデザインだと勘違いされているのでしょうし、新奇性や斬新性を演出するための手段として多用していることが推測できます。

 

結果としてとても稚拙なデザインに見えてしまいますし、人間が使用するものとしての機能性についても充分考慮されているとの印象も少ないものです。

 

一時的にでも消費者に受ければすべてよしとの考え方も一部ではあるとも思われますが、それはデザインの偏差値の問題だとも考えられ、結果として消費者のデザインに対する価値観アップの妨げになる部分も否定できないようにも感じています。

 

少なくともデザインは純粋美術ではないことからもその人の感性だけでは難しいと考えており、人が使用するものであればやはり人間工学についても多少なりとも学ぶ必要はあるのだろうと考えています。

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