「現場」

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仕事柄、ソファをはじめとしたインテリア全般に関わることになっています。

社会人デビュー時は当時の目標でもあった大手総合家具メーカーのデザイン部にお世話になったものの、典型的な若気の至りとでも言うのでしょうか、理想とする会社の方向性ではなかったこともありあっさりと退社したことも思い出されます。

その後は、家具が設置される器となる建築物より学び直すことにしたもので、実践から得た多くの経験知は現在の家具デザインにも活かされていることは間違いありません。

もちろん、学生時代に憧れていた多くの名作椅子は建築家により生み出された背景もあったもので、特に椅子は小さな建築物とも言われるくらいに建築とは関係性が強いこともあります。

それゆえ建築設計事務所にお世話になったのですが、建築物と言っても木造もあればRCもあれば個人住宅もあれば大きなビルもあれば様々ですので、一般的にそれらすべての設計を行うことは少ないものです。

従って幸い機会にも恵まれたこともあり、全国の在日米軍基地内のすべての施設設計を行う特殊な設計事務所にお世話になったもので、それゆえ個人住宅・集合住宅・小学校・銀行・ボーリング場等、基地内に存在するほとんどの施設の設計に携わることが出来ました。

新築ばかりではなくリペア案件も少なくなかったこともあり、都度インスペクション(現調)も行う必要もあるため必然的に現場も多くなり、ある基地の最重要施設での現調は治外法権ともありとても怖い思いもしました。

現在はソファを中心に提案しており、その表面積が大きいことからもそれらが設置される空間づくりには知識とは別の経験知も必要になります。

それゆえ必要に応じた事前の現調に加えて、その結果を確かめるためにも納品時や納品後には現場に足を運ぶことはとても重要なもので、このことは自分自身の能力の更新にも役立ちますので、やはりどのような世界でも現場が大事だと言うことに尽きるだろうと考えています。

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