「一生もの」

お部屋の模様替えに合わせてソファも買い替えようとの考え方は少なくないのかもしれません。

将来的にインテリアのテイストが変わる可能性もあり、それゆえその際に対応可能なように買い替える選択肢が生まれることも理解できないものではありません。

それはソファをインテリア商材の一部として捉えられているからであり、本来の機能性については少なくとも最優先に考えられていない可能性が感じられます。

日本のソファメーカーの多くはそのような考え方を更に助長するような製品開発を行っているようにも感じられ、そのような大きな流れについては少しばかり立ち止まって考える必要がありそうです。

絶対的な高耐久製品とは言えないものの、「それなりのもの」また「それほど高額ではないもの」とのコンセプトはおそらく若い方々を中心として大多数に支持されていることは事実です。

「将来どう変わるか分からないため、これで充分じゃないか」との心理面をうまくついているようでもあり、そこに一番のヴォリュームゾーンがあることも事実だと思われます。

しかしながらソファに限らず買い替えの頻度が増すことは、同時に廃棄処分するものも確実に増えることを認識する必要があります。

最近の地球規模での異常気象は既に100年に一度ではなくなっており、日本だけでも各地で頻繁に起こっている印象があります。

同じ貴重な資源を用いるのであれば、しっかりとしたモノづくりを行うことにより製品寿命を可能な限り延ばすことが大事になりますし、そのような時代に戻るタイミングに来ているのではないでしょうか。

「調和」

造作家具においては、既製品にはない細かなご希望を叶えることが趣旨になるため、そこにはいろいろな要素が入り込むことも珍しくありません。

例えばお手持ちの古い既存家具も一部活用するとか、特殊な素材を一部に用いるとか、お気に入りの作家さんの作品を埋め込むとか、世界にひとつだけの家具を作る意味においてこだわりも相応に強いものでしょう。

ところが、そのような希望を満足させることは決して容易なことではなく、最終的な仕上がりをイメージできなければ絶対不可能とも言えます。

仮にその中に取り入れるものがとても個性的であった場合、他との調和を図ることは特に難しくなりますし、もちろん個性を消すようなことがあっては本末転倒にもなってしまいます。

その過程ではそれに絡む方々のいろいろな想いも入り込みますので、その中での調和を図ることも必要になります。

既製品よりも難しい作業が発生することが多いと言うことですが、それだけに無事完成したときの喜びも大きいものと思われ、そのような時には家具に携わることが出来ていることを幸せに感じることにもなりそうです。

もちろん一番の喜びは依頼者がとても満足される様子を目にしたときであり、プロとして携わることが出来たことには感謝の気持ちも生まれます。

オーセンティシティ家具においては、当然のこととして定番品が存在するものの、満足度を更にアップさせるためにも各種別注対応も可能です。

デザインテイストを引き継いだ定番品にはないアイテムを別注することも可能ですし、ソファにおいてはその座り心地を細かくカスタマイズすることも可能です。

しかしながらやはり製品としての調和を図ることは大事なことですので、プロとして取り組んでいきたいと考えています。

「地域性」

ソファの張地に使用するために、長年イタリア製生地の動向を見てきました。

新陳代謝の意味合いもあり毎年一定以上の新生地を入手するようにしており、自然と傾向等も感じられるようにもなっています。

それと同時に、「どのような生地が売れるのだろうか」との感覚も相応に磨かれてきたようにも感じます。

小さな生地サンプルを見ただけで、実際これにてソファを張り上げた際にどのような感じに仕上がるのかについて理解する必要があり、それが分かるようになると、逆に生地を見て新たなデザインの発想を広げることにも繋がります。

その生地にマッチするデザインをイメージすることになり、仮にそのテイストが総合コンセプトとまったく異種なものだと判断すればそれをチョイスすることはありません。

充分吟味した結果として生地チョイスとデザイン性がうまくマッチした場合は、人気の生地となり消費量は相応に増えることになります。

このようにプロダクトのデザイン性とも相まって人気生地が生まれるのですが、多少なりともその内容には違いが生じることからも、それは地域性とも無関係ではないことが見えてきます。

ひとつには決して無視できない予算面があり、多くの場合その良さは理解できても高額となる生地を選定することは難しい場合も少なくないようです。

もうひとつには、それとはあまり関係ないところで受け入れられる色味や柄の地域性があるようにも感じます。

好みの違いということになるでしょうが、それを前提としてチョイスする意識が生まれると大きなコンセプトが崩れることにも繋がりかねないため、やはり経験から生まれた感性や感覚を大事にしていきたいと考えています。

「寛ぎ方」

ご自宅での寛ぐ場所やスタイルは様々でしょうし、その人に合っていればそれでいいのかもしれません。

しかしながら、もしかすると本当の意味で合っていない可能性も考えられ、それにより「どうも疲れが取れない」との状況をつくり出している可能性も否定できません。

例えばですが、食事を終えたあともダイニングチェアにずっと腰掛けた状態で過ごすことは本当に寛いでいることにはならないように感じます。

比較的多く耳にすることとして、フロアに敷かれたカーペットの上で適宜にクッションを用いながら過ごすスタイルもあるようで、これは日本人ならではの畳の文化が影響していると言えるでしょう。

かつてはイタリアブランドメーカーとのライセンス事業に携わっていたこともあり、関係者を日本にお招きした際にはお食事を共にしたのですが、お座敷の畳の上に座ることが出来ず、何枚も座布団を重ねてもらったことが印象に残っています。

多くの場合椅子やソファで過ごされることもあり、フロア上に座る動作自体非常に稀なことゆえどのような姿勢をとればいいのかも分からないのです。

胡坐をかいたり時には正座したり、日本人には当たり前のことがまったく通用しないことの文化の違いを実感したものですが、歳を重ねるごとに床座の生活は決して楽ではないことを痛感することになっています。

お座敷よりもテーブル席で食事した方が断然楽ですし、家では食事を終えると早々にソファへ移動します。

そのソファのうえでもいろいろな姿勢で寛ぐことになり、自身にマッチした寛ぎのスタイルを常に探しているようにも感じられます。

このように寛ぎ方は様々だと思われますが、上質なクッション性を有したソファのうえで短時間でも寛ぐことにより疲れが少しでも緩和されることは間違いないものです。

「コーディネーション」

インテリアコーディネイトにおいても、センスの良い人は素敵な空間をつくり出すものです。

それが自身のお部屋であれば、当然のようにお好きなものを集めてコーディネイトすることになるのでしょう。

あるインテリアショップでは、取扱品の関係もあると思われるものの、手掛けたインテリアコーディネイトはどれも同じように見えます。

そのほとんどはブランド製品となりすべてにおいて有名なものなのですが、それゆえのワンパターン化は否めず、少なくともそこに際立った個性を見つけることは難しいものです。

インテリアコーディネイトをお仕事にされている方はとても多く、それだけ需要があるのだろうと思われますが、少なくともモデルルーム等を見る限りにおいては不思議とどれも同じように見えてしまいます

間取りは大きく変わることがないことも背景にありそうですが、どれもあるパターンに収まるように感じられ、しかも選定される家具はどれもどこかで見かけたことがあるものばかりです。

一度経験したものは安心して提案できるのかもしれませんし、何よりも自身が好きなものでコーディネイトすることは心地良いのでしょうから、気が付かないうちにワンパターン化しているように感じます。

デザインにおいても自身が好きなものを基本とすることはある意味楽なことなのですが、やはり誰のためにそのお仕事があるのか考える必要がありそうです。

自分自身の好みを押し付けることは、お客様のためになることは少ないものと思われるため、ヒアリングにて得た情報をまとめ上げたうえでそのお客様にマッチするものを提案する力こそが本物のプロだと思われます。

当たり前のことなのですが、デザインやコーディネーションは個人の好き嫌いとは別のところで行うことが大事になると考えます。