「ソファの種類」

ソファにおいては、すべて生地でくるまれた張りぐるみタイプと、あえてそれを露出させているフレーム(スティール/ウッド)タイプの2種類になると思われます。

オーセンティシティソファは後者のウッドフレームタイプとなり、おそらく座り心地においても本物となるウッドフレームタイプのパイオニア的な存在だと言っても間違いないでしょう。

何度か記した記憶がありますが、ウッドフレームソファは元来まったく違う技術の集大成とも言えるもので、それだけに家具メーカー一社にてこれを完成させることは難しいことが現実です。

ウッドフレーム部を製造する技術とソファとしての代表的な機能となるクッション部分の技術はまったく違うものなのです。

それゆえ、どちらかが優れていても一方の技術力が伴っていないことからも、率直なところいずれも完成度が低かったと言えるでしょう。

椅子の延長戦上となるいわゆる長椅子の域を脱するものではなかったり、ソファとしての機能性は相応に有していてもフレーム部のつくりがそのグレードに達していなかったりと、少なくともこのバランスが取れていたものはなかったと思われます。

また、いわゆる消耗品の類となるクッション中材や表皮材のメンテナンス性の観点では、これが容易に出来るものも予想以上に少なかったものです。

座/背クッションが置き型ではなくボディと一体形となる仕様では、中材を交換しようとする場合は工場に送り返す必要があります。

その場合は往復の送料はもちろんのこととして、工期についても相応に要することになりますので、トータルの費用面も考えると結局のところ買い替えを選択されることになるようです。

買い替えには廃棄も常にセットとなることからも、やはりクオリティ及びメンテナンス性に優れたものを最初から選定されることの意味合いは大きいと考えます。

「木とスティール」

家具の構造体としては、代表的なものとして木とスティールがあると思われます。

スティールの場合は一般的に木よりも強度があることからも、細かったり薄かったりとしたフレームデザインも可能になります。

また、相応に荷重が掛かるチェア等、木だけでは不可能なカンティレバータイプ(片持ち式)のデザインも可能になります。

代表的なものとしてブロイヤーのチェスカチェアがあり、やはりこのようなデザインは木だけで実現することは難しいものです。

同じような意味を持つ形状としてはリートフェルトのジグザグチェアがあり、これは木だけで強度を保持するギリギリの形状だと言えるでしょう。

このように用いる素材によりそのデザイン性も違ってくるのが一般的なのですが、スティールを用いることによりコストアップになるとの理由から、そのように見えるような黒色の塗装を施した木が用いられた製品も時折目にします。

それがデザインと言うことであれば意見することは一切ないものの、スティールに見せかけるために塗装を施した木を用いると言うことについては如何なものか…との率直な感想です。

やはり素材感を活かしたデザイン性や機能性が望ましいと思われ、仮に背景としてコスト面があったとしても、それが適正価格だと自信を持って発表出来る製品開発を行うべきだろうと考えます。

すっかり定着化したウッドショックと言う言葉ですが、それは木材に限定されないことからも特に家具においては値上げラッシュの状況となっています。

それだけに苦肉の策とも感じられるようなものも自然と発生するのかもしれませんが、やはりどうしても矛盾点は見えてきますので、根本的な対策が必要になりそうですし、それが真に良い材料を用いた真摯な製品づくりだろうと考えています。

「フェザークッション」

オーセンティシティソファの座り心地の大きな特徴はフェザークッションにあります。

もちろんソファのクッションにフェザーを用いることは決して珍しいことではないものの、その質や仕様には大きな違いがあります。

一般的には中国産のダックを用いることが多く、また人工的な異種素材をブレンドすることも少なくないことからも100%天然フェザー仕様は少ないことが現実です。

その背景にはコスト問題があり、一般的には高級な素材となることからもその部分のコストを抑えることはある意味必須なのかもしれません。

それが真相なのですが、天然フェザー100%仕様の弱点を補うために人工的な異種素材をあえてブレンドしていると説明されることが現実のようです。

弱点とは復元力のことを指しており、その形状がへたってしまったように感じられることからもそれを避けるためとの大義名分があるのですが、上質なフェザーではないものを多く使用することによる臭い(動物臭)の問題が背景にあることも事実です。

また本当に上質なフェザーは復元力も高く、デイリーの軽いメンテナンスやマンスリーの少しばかり手を掛けたメンテナンスを行うことで常に綺麗な状態を保つことも可能です。

それを表層に設けることで、ウレタンだけでは難しいふんわりとした何とも言えないファーストタッチを表現することが可能となります。

更に、冬場は冷たく感じられることもなく温かく包み込まれるような感覚を得ることが出来、夏場は決して涼しいとは言えませんが空気の層が設けられることからもべとつく感触も軽減されます。

このように上質な天然素材が持つ感触を大事にしつつ、今後においてはそれに代わる素材も開発しなければいけない時代になっていることも否定できませんので、開発に携わる人間として意識していきたいと考えています。

「生地感」

ソファやチェアの張地と言われるものにはいろいろな種類があります。

最もポピュラーなものとしてファブリック(織物)があり、その組成や織り方・仕上げ処理も含めてそれこそ多種多様なものです。

もちろん価格帯においてもかなりの幅があり、その価格差については比較的多く質問を受けることになります。

一概には言えないものの、糸の使用量とは密接な関係があることからも、比較的安価な生地は薄手だったり密度が粗かったりするものです。

その反対に、比較的高額となる生地においては厚手で密度が細かくなるものが多く、仮にそれほど厚手ではなくとも例えばシルクやウールのように素材自体が高額となるものもあります。

他の要素としては、織り方が複雑なものも少なくなく、それゆえの表情もかなり豊かなものですし、シルクやヴィスコースを用いたものは光沢感も生まれますので上質な高級感も増してきます。

以上は質感や視覚的な要素となるのですが、ソファにおいては特に肌に触れることが多いことからも、その触感もまた重要な選定基準になると思われます。

例えばベロア地のようにやわらかく温かな触感を好まれる場合もあれば、リネン地のようにサラっと冷たく感じられる触感を好まれる場合もあります。

一般的に椅子張り地と言われるものには明らかな季節感はないものの、カバーリング仕様であれば季節に応じてカバー交換もできますので、色味においても暖色や寒色を用いることで見た目の印象を大きく変えることも可能です。

更に、生地の織り方や厚みにより大きく違ってくるものとして、それ自体の張り感により、例えばフェザーを多く用いたやわらかな座面であっても中材の凹凸を拾うことが良い意味で鈍感になります。

それにより比較的綺麗な状態を保つことも可能になり、またファーストタッチの感触にも若干の影響を及ぼすことからも、いろいろと試したうえで選定されることをお勧めします。

「ベストプライス」

最近益々顕著になっている各種製品の値上げ傾向については、実感となって表れているものと思われます。

その背景にはいろいろな要因があるようですが、木材をはじめとした材料を多く用いる家具においても例外ではないようです。

メーカーによっては比較的短期間に何度も値上げを行った印象もありますし、そのようにしなければいけなかった背景も確実にあるものと思われます。

その流れは沈静化するどころか更に拍車がかかるとの見方もあり、当面はこのような状況下のもと各種対策を打つ必要があるのでしょう。

価格面は重要な判断基準のひとつとなることは以前にも記しましたが、それだけに値上げ前に購入したいとの心理も当たり前のことでしょうし、販売サイドとしてそのようにインフォメーションすることはある意味必要なことだと思われます。

決して急かす意味ではないものの、真剣に検討されているほどそのことは背中を一押しすることにも繋がるでしょうし、それにより一種の駆け込み需要のような流れも一部では見られるのかもしれません。

一方では、価格改定を機に選択肢より外されたり反対に比較検討される製品が増えたりすることも考えられます。

このように考えるとやはり価格バランスが重要な判断基準となることは間違いないものとも思われますし、それだけにメーカーサイドとしてもその判断には慎重になる必要があるものと思われます。

また価格の妥当性については絶対的な自信を持っているのでしょうが、仮にその価値を充分伝えきれていないとすれば単に高いと感じられている可能性も否定できません。

「その割には高い」とか「そう考えると決して高くない」とか、その価値基準は人それぞれとなることからも一概に高い/安いとは言えないことも事実とは言え、やはり常にベストプライスだと胸を張って言い切ることが出来る製品づくりが必要になるものと思われます。