「抜け感」

過去に2回ばかりこれについて触れたことはあるのですが、ウッドフレームタイプソファにおける最大の特徴とも言えることもあり一度整理したいと思います。

先ずは比較的多いそのレイアウト面で、デザイン性の特長を最大限活かすことが可能になります。

ダイニングとリビングを仕切るようにその中間に設置するレイアウトでは、背面も含めて360度見えることになりますので、後ろ姿にも大きな特徴を持つオーセンティシティソファには最適な環境かもしれません。

更に、パーティションの役割も果たすとすればやはり極力スペースが割かれないようにしたいと考えることも一般的ゆえ、張りぐるみタイプと同じ有効面積を有していながらもコンパクトなサイズ感であることも大きなメリットと言えるでしょう。

尚且つ圧迫感を抱かせないことも重要になりますので、抜け感のあるリズミカルなデザイン性はこの感覚を生活の中での楽しさに変換しているように感じています。

抜け感はオープンスタイルと言うことでもありますが、ソファの機能性として肘掛けも備えていますので、ピロ―クッションと併用することにより充分な寛ぎを得ることも出来ます。

仮に全体の幅を抑えたとしても時には横になることも可能で、例えばオットマンも併用することによりアームの下部空間より足を外に投げ出し充分な広さを確保することも可能です。

堅いフレームとその隙間から望む柔らかなクッションやその表皮材との対比は見た目の楽しさも演出することになりますので、スペースの有効活用面やデザイン性・実際の機能性においてどれも高いレベルで融合させているものがオーセンティシティソファと言うことになります。

「明けましておめでとうございます」

例年同様の書き出しになるのですが、早いもので新年のご挨拶も今回で12回目となり、干支で言えば一回りしたことになります。

これを機に過去11回分を一度に読み返すことも慣例化しており、自分自身の意識の流れを冷静に分析したうえで新年に繋げていきたいとの気持ちです。

昨年はソファにおける座り心地の味付けについて記しており、どれも良いことを大前提としたうえでの各種バリエーションだとご理解いただければと思います。

デザイン性の違いが与える印象はとても大きいのですが、仮にその座り心地はどれも同じと感じられるようではその印象も曖昧になってしまいます。

ソファの場合はデザイン性だけでは判断できない典型的な体感家具であることからも、見た目と最初に体感することになる座り心地はある程度一致することが大事になるとの持論に繋がります。

無意識に近いのかもしれませんが、見た目が与える座り心地の印象は必ずあるもので、予想以上に座り心地が良かったとのギャップを除き、そのギャップが大きすぎると良い印象には繋がらないと考えています。

しっくりくるとも言うのでしょうか、デザイン性も座り心地も同等レベルで納得いくことが大事になることは間違いないでしょう。

更に、それ以上の納得ポイントがなければ最終決断に至ることは難しいようにも感じています。

それは「安心感」であり、この部分は外観だけでは感じにくい見えないところに潜んでいるものです。

ソファは寛ぐための家具だけに、やはり耐久性については絶対的なものがなければいけないでしょうし、表皮材やクッション部においてはメンテナンス性が高いものである必要があると考えています。

もちろんオーセンティシティソファはすべてこれに当て嵌まります。

「重量」

すべてにおいて当て嵌まるものではないですが、少なくともソファにおいては重量が重いほうがクオリティは高いとされています。

その理由はいろいろあり、一般的な張りぐるみタイプにおいては中身が見えないだけに、その部分でコストダウンを図ることになります。

例えば構造体に合板を主材として用いるのか、それとも堅木の厚い無垢材を主材として用いるのかによりその剛性面で大きな差が生じてくるのですが、重量もまた変わってくることは容易に想像できると思います。

その硬いフレーム全体を包むウレタンにおいても、その比重や厚みにより重量はずいぶんと変わってきます。

同じ体積であっても高比重のものは低比重のものよりも重くなると言うことであり、これは良く言われる「へたり」(形状が変化して戻らなくなってしまうこと)と密接な関係があります。

その体積においても、硬いフレームを感じさせないようにするためには相応な厚みも必要になることからも必然的に増えてきますので、これも重くなる理由のひとつです。

尚且つストロークのある、もっちりとした座り心地を実現するためには、良質なフェザーをたっぷりと吹き込んだり、厚みのある高比重ウレタンを何層も仕込んだりと、やはり必然的に重くなります。

更に、これはあまりイメージにないかもしれませんが、表皮材である張地においてもしっかりとした厚手で細かく織られているものになれば重量も重くなり、1㎡当たり1㎏を軽く超えてくるものもあります。

一部ダイニングチェアのようにその機能性からも極力重量を抑える必要があるもの以外においては、このように上質で高耐久な家具を作ろうとすると必然的に重くなってくることは事実のため、重量も一つの判断材料とされることも間違いではないでしょう。

「地域の感性」

10年以上前にも記したことですが、その地に長年住み続けてはじめて身に付く感性もあるのだろうと考えています。

そのような観点からも、全国の家具産地と言われるところで生まれ育ち、その業界に身を置かれている方々の感性はまた違うものがあるのだろうと思います。

家具においては多くの場合手作業が加わりますので、工場で働く方々の感性はとても重要な要素だと考えており、その感性が実際の製品の中に自然と注ぎ込まれることは間違いありません。

全国の家具産地においてはそれぞれ違った感性が注ぎ込まれており、それはメーカーが違っても傾向として共通するものがあります。

同じ箱物や脚物であってもその地の傾向は製品ににじみ出るもので、結果としてそれが各々の家具産地における特徴となっているのでしょう。

その中にあっても当然のようにメーカー別の特徴もありますので、いろいろな意味で「らしさ」は必要なものだろうと考えています。

これは材料調達面においても自然と表れてくるもので、当然のこととしてコスト面の背景は決して小さくないものの、仮にそれに余裕があったとしても容易に変わることのない重要な要素だと思われます。

ある意味材料はメーカーの特徴を如実に表すことになっており、材料を見ればおおよそのことは判断が付くと言っても過言ではないのかもしれません。

更にその木取りや細かな面取りの仕方においてもメーカー別の感性や意識面がにじみ出ますので、このあたりを観察するととても興味深いものがあります。

また、そのような部分が自身の感性に訴えかけてくる部分になるのでしょうし、家具の場合はそれが重要な判断基準になるものと思われます。

オーセンティシティはこのあたりの感性を最も如実に表している家具かもしれませんし、今後においても多くの方々の感性に訴えかける存在であって欲しいと願っています。

「正しく伝承」

家具に限らず、単に絶対価格的に安いのではなく、対価値相対的に安いものは売れるのかもしれません。

「モノの割には安い」と感じさせることでしょうし、その基本的な考え方をベースとして成長を続けている企業があることは否定できません。

家具の世界でもこの市場がヴォリュームゾーンであることは間違いなく、単なる製造小売りのスタイルだけでは達成できない部分をグローバル戦略にて実行できる力を有する大企業でなければ難しいのでしょう。

成長の過程ではいろいろな失敗も繰り返してきたのでしょうし、それを常に改善することが更なる成長を続ける原動力になっているとすれば、やはり「強い」としか言いようがありません。

そのような大企業の戦略に真っ向勝負したのではとても勝ち目はありませんし、そのような価値観ではない製品を開発する必要があることは言うまでもありません。

これは価値観のズレだと思われますが、家具において長く大事に使うものとして箪笥やサイドボードのようなものがあるのに対して、買い替え前提となるものとしてはソファや絨毯があるようで、買い替え前提であれば「それなりのもの」で良いのではないか、との考え方は少なくないように感じます。

その背景として使用頻度の問題があると思われますが、例えば絨毯の場合は使い込むほど柔らかく馴染み、更に色合いも増してくるものもあります。

明らかに新品よりも良いと感じさせるものがあることも事実ですし、人間の生活の中に溶け込み上質な経年変化を遂げていくものもあると言うことです。

家具とは本来そういうものであり、「使用頻度が高い=買い替え前提」とはならないことを確認しておきたい気持ちです。

人間に最も近い存在の家具とも言えるソファも同様で、木部の上質な経年変化と部分メンテナンスにより復元するクッションを兼ね備えたオーセンティシティソファの価値観を正しく伝承していきたいと考えています。