「別注と特注」

「別注と特注」

オーセンティシティソファにおいても別注することは可能です。

比較的多いものとしては幅方向のサイズ別注となり、時にはワンアーム仕様やアームレス仕様にて製造することもあります。

稀にシートの奥行きを広くしたいとの希望もあり、それは背クッションの厚みにて調整可能な範囲内でなければフレーム自体の奥行きを別注することになり、それは一般的に容易ではないことからも幅の別注よりもコスト高になります。

外見上はほとんど分からないのですが、座面には後方に向かって若干の傾斜が取られていることが多く、またオーセンティシティソファの場合はアームに特徴を持たせていることが多いことからもその部分も新たに製造することが必要になるためです。

このように定番仕様から若干変更するだけでは済まないことからも、別注ではなく特注と表現することにしています。

いずれにしても多くの場合は幅や奥行・アームの有無についての変更希望となるのですが、稀に全体的な高さを変更したいとの希望もあります。

先日はタイプ(E)において、SH(座面までの高さ)だけではなく背もたれ部との高さとの関係性も更に大きく変更したいとの希望もありました。

タイプ(E)の場合は部材の断面においてもほぼ90度を用いていない複雑な形状ともあり、高さ関係の変更はまさしく特注となります。

もちろんデザイン性や全体の印象を変えないことが大前提となりますので、各部材の基本形状を弄ることも出来ませんし、単に伸ばすだけではおさまらない点においてパーツよりほぼ最初から製造することになります。

当然のようにこれを何台分もまとめて加工することもないためコストアップは避けられないのですが、一般的にはとても複雑で手間のかかる作業となることを理解することは難しいようです。

従って、そのことを充分理解いただくべく丁寧で分かりやすい説明が必要になることを再確認しているところです。

「動線とソファサイズ」

家具を設置するにあたり、その機能性はもちろんのこととして、先ずはその大きさについて検討されることになると思われます。

分かりやすいところではダイニングセットがあると思われ、先ずそのテーブルで何名の方が一緒に食事をとるのかは最初のステップでしょう。

それにより椅子の数が決まりますし、必然的に最低限必要なテーブルの大きさも決まってきます。

その形状についても、一般的にはスペース有効活用の意味合いにおいて長方形や正方形となりますが、円形だったりオーバル形だったり、他にはシンメトリックではない変則的な形状も選択肢に含まれるのでしょう。

ソファにおいても同様となり、何名でどのように使用されるのかは最初のステップになりますが、スペースとの兼ね合いもありますので理想と現実には多少なりともギャップがあるものです。

つまり動線との兼ね合いは決して無視できないと言うことですが、個人的にはこの数字に縛られ過ぎることも如何なものか…と思うことも少なくありません。

最低動線とされる数字は目安として当然必要なものですが、例えば僅か5センチ程度のことでソファサイズを一段階小さくすることはデメリットの方がはるかに大きいものと考えています。

ソファは寛ぐための家具ですし、機能性としては小さなものよりも大きなものの方がメリットは大きいものです。

少しばかり乱暴な表現になるかもしれませんが、ソファにおいては「大は小を兼ねる」とも言えるもので、小さなものを大きく使用することは出来ませんがその反対はクッション等で調整することは充分可能です。

寛ぐスペースは広いに越したことはないと言うことであり、そのために日々の生活動線を大いに犠牲にすることは本末転倒とも言えるものの、多少のことであれば基準寸法を若干下回ったとしても大きな問題とはなりませんので、数字にとらわれ過ぎないようにすることが賢明だと考えます。

「座り心地のデザイン」

家具デザインにおいては、そのフォルムだけではなく機能性においても充分考慮する必要があります。

道具ですのでそれは当然のことなのですが、体感家具を代表するソファにおいては単に椅子の延長戦上にあるとの考え方では成り立ちません。

長椅子とはまったく別物となり、そのクッション性の振り幅はとても広いことからもそれだけに難しく専門的な分野だと言えるでしょう。

その形状を変えることで座り心地を表現すると言っても過言ではないソファだけに、またそれゆえのカスタマイズ性の高さもあるだけに、クッション材の素材についても相応に理解していなければ設計は出来ません。

先日はある展示会に足を運び、いろいろなソファに腰掛ける機会があったのですが、中には硬さが違う2種類のクッションより選定することが可能なものも見られました。

このようなソファは以前より見られることもあり特別感はないものの、やはり少しばかり違和感を覚えたものです。

慎重に座り比べなければ分からないくらいの違いであれば2種類設定する必要もないのでしょうから、当然のように明らかに違うことからも明らかにそのソファにとっての向き不向きも感じられました。

極端に柔らかく沈み込む座面ですと、見掛け上のSHよりも実際はかなり低いSHとなりますし、それにより背もたれ部との関係性も変化します。

例えばスタイルとしてローバックタイプに仕上げたものの、座面を柔らかく沈み込ませることにより背もたれ部のホールド感を増す工夫のものもありますし、その場合は座クッションを硬く沈み込まないものにしてしまうとその関係性が明らかに狂ってしまいます。

このようにソファにおいてはそのフォルムと同時に座り心地においてもデザインすることが必要になりますので、そのデザイン意図を知ることが出来ればそのソファの本質も見えてくるでしょう。

「信頼関係」

高級家具の購入先としては、百貨店も含めて以前は選択肢がかなり広かったように感じられます。

しかしながら需要の問題もあり、また安価な家具が確実に増えたこともあり残念ながらその購入先としての選択肢はずいぶんと絞られたことが現実です。

記憶に新しいところではIDCのお家騒動がありましたし、当時は両者の言い分も理解できるものの折衷案はないものかと個人的には思ったりしていました。

あいにくそのままの形態では継続できず、一方の創業者の店舗においては当初厳しい状況だったと思われるものの、確実に良くなっていることを知り少しばかりホッとしたことも事実です。

高級品を中心に扱っていることもありやはり販売員の力量にかなり左右されるようですが、反対にそれがあれば確実に良い方向に向かうことになります。

高額品ともあり充分納得しなければ購入には至らないでしょうし、それにはやはりしっかりとした接客が必要になることは間違いないでしょう。

豊富な製品知識を有していることは当然のこととして、その中で築き上げられる信頼関係も必要不可欠でしょうから、その点においてはやはり以前構築された手法は間違いではないとも感じています。

当然すべての人に当て嵌まるものではないのですが、間違いのない製品選択のためには必要だと判断される人も少なくないでしょうし、少なくとも高級品を扱う場合は必要なことなのでしょう。

製品知識面において、各社製品を扱うことにより総合的且つ客観的な説明も可能になるのでしょうし、会社間の関係性においてまったくフラットな状態であることを前提とした場合はそれがかなりのストロングポイントになるかもしれません。

一方のメーカーにおいては、実際製造していることの強みは絶対的なものがありますので、各々の専門分野となる説明を直接受けることがベストですし、またその中で信頼関係も構築できるものと思われます。

「立ち上がりやすさ」

ソファにおいては、それが寛ぎの場となることを常にイメージすることになります。

しかしながら体格は様々となることからも、すべてを万人向きに設計することは不可能とも言えます。

デザイン性やテーブルとの関係性を統一させる必要がないことが前提となりますが、椅子の場合はひとり一脚のようにその人の体格にマッチするものを選定することは可能だと思われます。

しかしながらソファにおいてはその限りではなく、その大きさもあり一般的にひとり一脚とはいかないことが現実です。

そうなるとソファ選びはとても難しいと言うことになりますし、寛げることはもちろんのこととして、立ち上がりやすさについても考慮する必要があります。

一般的にはご年配層において特に注意すべき点となり、仮に充分な寛ぎ姿勢を得られたとしてもそれが立ち上がりやすさと比例するものではありません。

また、立ち上がる際には手で座面や肘掛けを押して立ち上がりを補助することになりますので、その点も考慮すると極端に座面が軟らかいものや極端に低かったり高かったりする肘掛けはあまり好ましくないとも言えるでしょう。

また、単に手のひらを広げて押さえるだけではなく、手のひらで軽く掴むことが出来るくらいの適度な幅があると更に安定した立ち上がりを補助することになりますので、その点においては座面よりも肘掛けの方を優先する方が良いのかもしれません。

オーセンティシティソファにおいては間違いなく一生ものと言える耐久性を有していますので、若い方も決して他人事だとは考えず少しばかり念頭に置いておくことも悪くなないでしょう。

見た目のデザイン性もさることながら、少しばかり視点を変えてこのような機能性についても意識しながらご自身にマッチしたソファ選びをされることをお勧めします。