「表皮材選定」

「表皮材選定」

ソファの座り心地は表皮材によっても若干感覚が違ってきます。

分かりやすいところではレザー(本革)を用いた場合とファブリック(織物)を用いた場合があり、前者はそれ自体のしっかり感からも後者と比較すると若干しっかりとした印象になります。

当然のようにクッション性を表現するためにはある程度の沈み込みが必要になり、必然的に内部の空気を外に逃がす必要もあります。

レザーの場合は吸湿性に優れてもそれ自体の通気性には期待できないため、例えば座クッションの底面や背クッションの裏側の一部は通気性が良い生地とする場合が大半です。

視覚的な観点より見えない部分にて抜くことが前提となりますので、例えば背クッションの裏側も見えてしまうようなウッドフレームタイプソファの場合はそれも難しいものです。

設置場所が定まることがない方向性のないピロークッション等の場合も同様となり、その場合は目立たないように空気孔となるようなメッシュ鳩目を用いたり、細かな孔を空けたパンチングレザーを用いたりすることになります。

一方のファブリックにおいては、それ自体に充分な通気性が備わっていることからも全体的にそして均等に空気が抜けていきますので、スムーズで自然なクッション性になるものです。

また多くのファブリックはレザーよりもやわらかいこともありドレープ性に優れますので、内部クッション材と一体感のある見え方にもなります。

更には、その組成面からも種類が豊富なもので、その点において選択肢の幅もかなり広いことが最大の特徴になるでしょう。

一方、レザーにて張り上げたソファには良い意味での緊張感や独特な高級感も生まれますので、そこに求める居心地について具体的にイメージすることにより表皮材選定にも厚みが増すものと思われます。

「one of them」

多くのインテリアショップはいろいろなメーカー製品を扱っています。

オーナーやバイヤーが厳選した、いわゆるセレクトショップとなることからも、ある意味面白味があるのかもしれません。

一方のメーカー直営店となると、それが総合家具メーカーであれば一通りのアイテムも揃うものの、必然的に統一感のあるテイストとなることからもある意味客層は絞り込まれる可能性があります。

固定客を大事にする姿勢とは別に新規客開拓も必要になりますので、時代に合わせた万人受けしそうなデザイン性や使用性にこだわり続けているものと思われ、またその多くの実績からも安心感を与え続けているものと思われます。

古くより「家具は○○〇」のように思い浮かべる方々も少なくないでしょうし、それがブランドですので否定することもありません。

それらとはある意味対極にあるかもしれないアイテムが絞り込まれたメーカー直営店の場合は、当然のように○○専門店との位置付けになります。

専門性が高いその形態はメリットもあるでしょうが、すべてが揃わない点においてデメリットにもなり得るでしょうし、そのような多くの販売店を吟味したうえで足を運ばれるのでしょう。

例えばソファにおいて、多くのセレクトショップの場合はメーカーを絞り込むことなく各々のメーカー製品の中で売れ筋と言われるものを中心にランナップするものと思われます。

このように立場やそれゆえの視点が大きく違いますので、メーカーサイドからすれば所詮自社製品は「one of them」の位置付けになってしまいます。

また、一般的には価格帯の幅も広いことからも専門性の高さを表現することは難しいとも感じられますので、今後はメーカーが表に出て各々の専門性や大きな方向性を明確にアピールすることが大事になるものと思われます。

「ソファ背面活用」

ソファを設置する際に、壁面を背負わすレイアウトかそうではないレイアウトに大別されるでしょう。

前者においては比較的お部屋を広く使用することが可能となりますが、多くのリビングにおいてはそうではないレイアウトが一般的なように感じます。

特に細長いL/Dにおいて比較的多く見られるものとして、ダイニングセットからソファ越しにテレビを観るようなレイアウトになります。

その場合ダイニング側からはソファの背面が見えることになりますので、その背面デザインも気に掛けるポイントになります。

またその場合はソファ自体の高さも気になりますので、ハイバックタイプとなるものは避けられますし、リビングの中心部に設置される関係上見た目の圧迫感を特に気にされるものです。

それゆえいわゆる「抜け感」のあるウッドフレームタイプが選択肢に浮上することになり、またデザイン性においても張りぐるみタイプと比較すると変化に富んだものになることからも比較的相性は良いものです。

一方の張りぐるみタイプにおいては、背面もファブリックやレザー等の張地でくるまれますので、その表情は選定される張地に大きく左右されることになります。

一方では、一般的にデザインのポイントは背面に置かれることはないため、その部分を上手に有効活用することも可能です。

当然その分のスペースが必要になるのですが、例えば細長いコンソールテーブルのようなものやラックを設置することにより、見た目も機能性も大きく変わります。

その上面はソファに腰掛けた際に飲み物等を置くことも出来、ソファ前に設置するセンターテーブルと比較すると意外と使用性も優れますので、ソファ前方スペースの代わりに背面活用を検討されることもお勧めです。

「二世帯住宅」

定義として居住空間を分けていますので、それら各々に設置される家具一式においては基本的に各々が別々に選定されることが多いとも思われますが、同じ建物内ともあり二世帯の家族が一緒に探されることも少なくないものと思われます。

それゆえ一度に多くの家具を見ることが可能な総合家具メーカー製品を最初にご覧になることも少なくないようで、先ずはそれらを基準としてその後においてもいろいろとご覧になるケースも多いように感じられます。

総合家具メーカーの特徴は必然的に製造アイテムが多くなることからも一般的には相応に社歴もある大手と言われるところが多くなり、それゆえの実績数から安心感もあるものと思われます。

またテイスト別のシリーズ数が多いことからも、同じシリーズにて一式を揃えることによりデザイン性の統一感も生まれますし、何よりもグレード感が同じともあり違和感なく空間に馴染むものとも思われます。

一方ではすべてが平均点とも言える家具で揃えることは、良い意味でのメリハリは効きませんので、特徴的な印象を与えることは難しいかもしれません。

それが日本的と言えばそれまでですが、例えばダイニングチェアにおいても同じもので揃えることなく、家族各々が好きなモデルとする選択肢もあります。

もちろんダイニングテーブルとの兼ね合いもあるため、ある程度SH(シート高)は絞り込まれますが、椅子においては特に豊富なラインナップより選定可能ともありその作業もまた楽しいものです。

いわゆるマイチェアとの概念になり自然と愛着も湧くため、家具の中でも特に楽しいアイテムかもしれません。

一方、ソファにおいては一般的に家族にて使用される家具ともあり意見を合致させることは難しいかもしれませんが、自然と家族が集まるような空間となることをイメージすると間違いは少ないかもしれませんし、結果として自然と同じメーカー製品を選定されることも少なくないようです。

「成熟」

このキーワードは何回か記してきたのですが、日本を代表する産業と比較するととても遅れている家具業界には、何とか良い方向に向かってもらいたいとの気持ちが背景にあります。

何よりも選択肢の幅がとても狭いことが気になり、残念ながらヴォリュームゾーンは安価な製品にあるようです。

当然のようにそれらの多くは日本製ではないもので、それゆえの品質でも多くの人たちが満足するだろうと一体誰が考えたのでしょうか。

もっとも、決して満足はしていないのかもしれませんが、価格に見合った製品と言う点において決して不満はなのかもしれません。

また「実際売れているのであれば一体何の問題があるのか…」との声も聞こえてきそうです。

中学生の頃より家具が好きで、結果としてこの業界に身を置くことになった当時のことを考えると、少なくとも現在のような安価な製品の比率はとても低かったように思われます。

むしろ一般的な感覚では高額な製品が多く見られたもので、それゆえそれらをいつか手に入れたいとの憧れに似た気持ちが向上心や勝手な業界発展の期待に結び付いていたようにも感じられます。

しかしながら皮肉なことに業界は総体的に安価な製品にシフトしていくことになったもので、いつしか家具の価格帯に対する常識も塗り替えられていったようです。

そうなると次なる世代にもその常識が受け継がれることになりますので、そのような環境下では「高額な製品を開発しても売れない」と一蹴されてしまうことも理解できないものでもありません。

それだけにとてももどかしい想いが募ることになっているのですが、自信を持って開発した製品を、自信を持って販売することが出来れば少しずつでも変わっていけるのではないかとの想いにて行動しているものです。