「刺激」

「刺激」

小さな世界の中からだけ物事を見ていると、おそらく視野は一定以上に広くなることはないのでしょう。

生まれ育った環境にずっと身を置くことを否定するものでもありませんが、やはり違う空気も吸うことが必要になるものと考えています。

価値観は人それぞれで、当たり前だと思っていることであってもその概念とはまったく違う考え方を持っている人も大勢います。

そのような際には往々にして自身の価値観を正当化したい気持ちにもなるのですが、時には一歩引いて捉えることによりいろいろな価値観について受け入れることが可能になります。

冷静に考えればいろいろな考え方があるからこそ面白いのでしょうし、そこから発想も違ったところに派生する可能性もあります。

デザインにおいてはこのような無意識のうちの柔軟性も必要になると考えており、多くの選択肢の中よりどれをピックアップにてどのように組合せて完成させるか、との作業になるとも考えています。

そのためにも、あえて広い世界に飛び込み多くの方々と交わることにより、いろいろな刺激を受けることも必要なのだろうとの気持ちです。

それは常に良い刺激ばかりとも言えませんが、これにより多少なりとも考えさせられることになることからも、少なくとも漫然と時間を費やすことはなくなるように感じます。

相応に頭の中を動かすことにも繋がり、いろいろな場面ではあえて暗記を心掛けることにより回転スピードを落とさないことに少しは役立っているようにも感じています。

各種刺激には過敏になり過ぎることも問題があるのかもしれませんが、これもある程度は取捨選択できるようになれば楽しいものです。

時には何も刺激を受けたくないこともありますが、そのような意識を持つことで、ひいてはデザインの幅も広がるものとも考えています。

「物語」

小さな物語は誰にでも、また何処にでも存在するものと思われます。

物事を進める上ではいろいろな過程を踏むことになり、それらは結果としてどれも大事なことだと思われることが多いことからも、極力これらを関連付ける意識を持つようにしています。

「ピンチはチャンス」との言葉も一般的ですが、このようなポジティブな意識を常に持っていなければ良い結果に導くことは難しいようです。

現実的に良いことばかりが続くこともなく、仮に良くないことが続いたとしても、それがある結果に結び付く過程だと考えればそれも必要なことだと納得も出来ます。

それとは反対の場合もあり、その際には良くなくなることも想定することにより現状を謙虚に生きることが出来るものとも考えています。

人生とはこのようなことの繰り返しでしょうし、良いことも悪いことも数多く経験することで成長に繋がっていくのでしょう。

その過程では多少なりとも各々の物語があるとも思われ、特に印象に残っているものを並べただけでも想うことが少なくないのではないでしょうか。

家具においても、本来であればそれにまつわるいろいろな物語が存在すると思われるのですが、短寿命製品が氾濫することによりもしかすると物語として成立する前に使い捨てられているのかもしれません。

長い目で見ればそれも物語を成立させるまでの過程だと言えるのかもしれませんが、何も変わらなければそれは過程ではなく結果になってしまいます。

長く付き添うことになる家具だけに、そこからは少なからず物語も生まれてくるのでしょうし、そのことは将来においてもいろいろと役立つことがあるものと信じています。

人と家具との関わり方は様々でしょうが、それらは身近な存在であることと、比較的長く付き合うことになることからも、もう少しばかり意識を向けても良いように感じます。

「窓口」

仕事柄、全国の多くの取引先や関連先に対して電話連絡する機会が多くなります。

その対応は様々なのですが、電話を取るタイミングから既にその対応が始まっていると考えると、少しばかり意識する必要もありそうです。

常に程よいタイミングで出られるところは安心感もあり、気のせいかその後の話もスムーズに進むような感じもあります。

各社いろいろな事情もあるでしょうし、電話対応に意識を集中させることが難しい環境も当然あるでしょう。

しかしながら会社としての最初の窓口は電話にあり、これは相手方の顔が見えないだけにある意味とても重要な部分になるものとも感じます。

私自身、最初の窓口対応には極力先入観を抱かないように心掛けているものの、結果として最初の対応と後の関係性が合致する場合が多いように感じています。

もちろんこれがすべてだとは思いませんが、最初の印象が悪いよりも良いことに越したことはありません。

意外と自社のことはどのように見られているのか分からないもので、もしかすると気が付かないうちに良くない印象を抱かれているかもしれません。

このような内容は比較的良く聞くことでもあり、それが確実性の高い情報かどうかは別としても、少なくともひとつの判断基準になっていることは間違いないようです。

特に商売においては人間関係が大事になることからもこれを重要視される方が少なくないため、それだけにこの部分は意識的に注意することになります。

反対の立場に立って考えてみると分かりやすいもので、すんなりと納得出来ない事柄であるほどそれを意識的に行うことで反省点も見えてきます。

やはり第一印象はどのような場面でも重要になることからも、それを少なからず印象付けることになる窓口対応については軽視しない方が良さそうです。

「基本スタイル」

誰もが基本の生活スタイルを持っているものと思われます。

その期間が長くなるほど変え難いもので、どこかに変えたい気持ちを持ちながらもその状態が長く続いていることのほうが多いのではないでしょうか。

おそらは、とても大掛かりなものになると考えがちなことに原因がありそうで、そうなると当然のように費用も時間も掛かってしまいます。

それだけに諦めてしまうことになり、結果として何も変わらないスタイルが継続されることになるのでしょう。

もちろんそのスタイルに100%満足されているのであれば特に変える必要もないのでしょうが、このような方は少数派であることは間違いないようにも感じています。

当初は少なからず妥協もあったでしょうから、自身の中での基本はもしかしたら自身が本当に望んでいないところから作り上げられたものかもしれません。

それを変えることは意外と難しいことだと言えますが、一度に変えることは出来なくとも少しずつ変えることは充分可能なものです。

例えば、何かひとつでも日常的に良く使う家具を変えるだけでも良いのかもしれません。

そして出来ることならば、それは常に体に触れる家具であれば変化もより大きく感じられるものと思われます。

椅子やソファがそれに当たり、少しばかり背伸びしたくらいの本当に気に入ったものに変えることから始めてみれば如何でしょうか。

当初は自身にはもったいないくらいとの気持ちが先行するかもしれませんが、自然と馴染んでくるものです。

そして気が付けば自身がその家具にふさわしい人間になっているのでしょうし、基本スタイルもワンランク以上アップしているものとも思われます。

「開発」

開発力があるかどうかは、企業にとってはとても重要なことだと思われます。

単に物理的にその機能を有しているとの意味合いではなく、それには当然のこととしてデザイン力も含まれます。

そのデザインも単に綺麗な形状をつくり上げるためだけのものではなく、常に何らかのメッセージを込めることが大事なことのようです。

それを具現化するための工場の力が最も重要なことは言うまでもないのですが、デザインの意図やポイントを正確に受信することは意外と容易なことではありません。

当然工場サイドとしての各種都合もありますし、デザイナーも先ずはそれらの各種事情に理解を示すことが大事になります。

一方では、その工場サイドの事情にはすべて寛容になる必要性はないのだろうとの気持ちもあります。

往々にして「つくり易さ」との観点で考えてしまう部分も否定できないからであり、それを継続することに新たな技術力は生まれないからです。

工場としてはやはりチャレンジ精神が大事になるでしょうし、それを成し遂げるための明確な目標を定めることで遣り甲斐も生まれてくるようです。

デザインワークにおいても、ともすれば「やり易さ」との安直な意識に陥る危険性も常にはらんでいるため、意識的にどちらかと言えば「やり難い」方を選ぶようにしています。

それによりデザイン性にも多少なりともオリジナリティが生まれてくるのでしょうし、工場としても安直な方法を選択しないことにより結果として良い製品が生み出されるものと考えています。

日々忙しくしているほど楽な方を選んだり必要以上に時間をかけたりしがちですが、その中からは決して良いものは生まれないことを肝に銘じ、忙しさを楽しみながら良い開発を継続できるように心掛けたいと思います。