「高級感」

「高級感」

一般的に高級感を感じさせるカラーとしては黒からグレー系があり、大人の落ち着いた雰囲気を醸し出しているように思われます。

一方では、高級感と共に清潔感も醸し出したいときには白からベージュ系を用いることが多いようです。

いずれの場合もそれらに加えるカラーにより高級感の度合いも変わってくるように感じますし、このあたりはやはりセンスが問われるところのようです。

以前お話しする機会があったインテリアコーディネーターの皆さんからは、有名ブランドメーカー製品を中心にコーディネイトすることにより「自然と高級感が生まれる」との内容を耳にすることになりました。

一般的に知られているブランドメーカー製品を安易に多用することには少なからず疑問を抱き、世の中には広く知られていなくても良いものをつくっているメーカーも存在することをアピールしたことも思い出します。

これは事実ですし、そのようなメーカー製品を探し出して提案することもプロの仕事だろうとの意識も持っています。

しかしながら、それらを選定する際の判断基準として高級感があることを否定することもできず、ハイクオリティな製品をつくり出すことはもちろんのこととして、やはりこの雰囲気をまとわせることも大事なことなのでしょう。

その一例として色使いを挙げたのですが、家具の場合は使用される木材の質だけではなく、加工や仕上げ上のディテールにおいてもすべてそれに繋がります。

ソファにおいてはボディラインにフィットする正確な裁断型や、その高い縫製技術力は欠くことが出来ない重要な要素になります。

ここまではごく一般的な内容に過ぎず、またそれが間違いではないことも確かですが、世間から一定以上の評価を受けている製品であれば、実際それらを比較して大差が見えてくるものは決して多くありません。

ひとつひとつ比較すると大差はないものの、全体で見ると大きな違いになって表れるものが高級感であり、やはり歴史の重みも重要になるのかもしれません。

「総合力」

とりあえずネットで「ソファ」と検索すると、安価な製品を中心としていろいろなものが表示されます。

それだけ安価な製品が多く出回っているということでしょうが、じっくり見ていると不思議と選択肢が狭いことに気付きます。

重要な基準としてその価格があることは間違いなく、「少しばかりお値段は張りますが…」や「その分お値段は高め」のような表現が多い家具だと言うことも再確認することになります。

一般的に家具は購入する機会が少ないこともあり、それだけに「失敗しない○○選び」のような内容も比較的多く目にすることになります。

家具販売店がプロの立場として経験上のいろいろな蘊蓄を語っている比較的フラットなものから、メーカー視点の内容になるとそこには少なからず「思惑」が入り込んでいるように感じられるものも見られます。

そのように考えると、一体どの情報を信じればよいのか分からなくなってしまいそうですし、おまけにかなりの幅の価格差も重なってくると、既にネット内の情報だけでは判断できないことが明らかなようです。

ソファは体感製品の最たるもので、ある程度の事前情報は必要になるものの、やはり自身の目で現物を見て身体で感じることが必要不可欠になります。

永く使用するためにもその座り心地は重要な要素になりますし、その座り心地を表現するためにも表向きは見えてこない中身の構造体も重要になります。

各種クッション材の持ち味を最大限活かすためにもこの剛性感は大事なことなのですが、安価なソファにこれを望むことは難しいことが現実です。

比較的高額なソファでも意外とこの剛性に意識を向けられたものは少なく、見た目に分かりやすいクッション材の質ばかりを謳うことになります。

ソファにおいては特にですが、複合的な要素が多く組み合わさって初めて本物と言われるものが完成しますので、総合的に判断しなければいけない代表的な家具だと言うことを心に留めて選定されることが望ましいと言えます。

「品質向上」

先日はイタリア一流メーカーのライセンス事業に携わっていた当時の資料に目を通すことになったのですが、不思議なくらいに古さを感じることがありませんでした。

20年近く前の資料であり、当時とは時代も大きく変わってしまったとも言える現代においても新鮮ささえ覚えるくらいです。

一見すると分からないユニークな機能が隠されている製品が多く、その独自性に加えて、型にとらわれないデザイン性においてもまさしくイタリアらしさを感じるものと言えます。

遊び心とでも言うのでしょうか、それがすべてだとは思いませんがその部分も多少なりとも必要になることを再確認した思いです。

製品開発を行っていく中では過去の実績を重んじることは大事なことであり、それにより品質が安定することも確かですが、ともすればワンパターン化に陥る危険性もはらんでるようにも感じます。

一方では新たなことにチャレンジすることには相応なリスクも伴うため、充分な慎重さも持ち合わせた上で進める必要もあるのでしょう。

オーセンティシティにおいてもブランドとしてそれらしくしっかり成熟させることはもちろんのこととして、一方ではどこかで一皮むく意識も必要になるのかもしれません。

特にソファにおいてはその機能性の部分で一歩進めることも必要に感じますので、そのブランドイメージからも決してユニークさを求めるものではないですが違う視点で進化させることも大事なことだと思われます。

ソファの基本性能である座り心地を更に向上させることには終わりはないとも思われますので、既成概念にとらわれることなく良い意味でのチャレンジ精神も持ち続けたいと考えます。

やはり一か所に立ち止まることなく常に進化させる姿勢が最も大事になるのでしょうし、それにより本当の意味での品質向上に繋がるのだと考えます。

「家具工場」

仕事がら国内外の家具工場を見させていただく機会には恵まれている方で、そこから生まれてくる製品のことはおおよそ推測することが出来るようになっています。

決して上から目線で見ているのではなく、素直に感じられることが結局のところは当たっていることが多い経験値によるものです。

工場全体の雰囲気もそうですし、むしろその中で作業されている方々の何気ない行動を目にすることにより強く伝わるものがあります。

作業に取り組む姿勢はそのようなひとつひとつの行動から伝わってくるもので、その細かな行動にもすべて意味があることを考えるととても興味深いものです。

責任者の指示によりやらされていることは案外分かってしまうもので、もしかすると「それらの目がない場合はどうなんだろう」と意地悪なことを考えたりもします。

その反対に「そこまでしなくても…」と、過剰とも思われるような細かな作業でも、決してやらされているものではないことが直ぐに分かります。

そこで作業されるひとりひとりのマインドが痛いほど伝わってくることになり、そのような際には多少なりとも感動を覚えることになります。

もちろんそのような工場から生み出される製品は高品質なものが多く、特に家具の場合は人間の手による部分が少なくないだけに非常に重要な要素になることは間違いありません。

良いものをつくり出していることのプライドもあるでしょうし、それらが売れることにより更に自信に繋がるとも思われますので、やはりその判断基準は大事だと言えます。

自分たちのつくり出したものが多くの方々に使用されることほど大きな喜びはないとも思われ、そのために自身が必要不可欠な存在であるべく更にプライドを高めることが製品クオリティも更にアップさせることに繋がるとも言えます。

そのような工場に出会えた時ほど気持ち良いことはありませんし、そこでモノづくりを行ってもらいたいと素直に感じます。

「影響力」

家具業界においても大小合わせるといろいろな組織やグループが存在するもので、それらには相応に意味があった、もしくはあるのだろうと思われます。

時代が求めたグループもあるのかもしれませんし、もしかすると既にその役割を果たし終えた組織もあるのかもしれません。

ひとつ言えるとすれば、皆が同じ方向を向いて歩むことには既に大きな意味も効果もなく、やはり各々が独自に考え進むことが大事なのだろうと感じます。

ひとつの組織に属することにより往々にして考え方も偏ってしまうようで、時には異なる考え方にも耳を傾け、いろいろな方々との交流がなければ、すべてにおいて的確に判断することが出来なくなるようにも感じます。

もちろん必要な組織やグループも少なからず存在するものと考えており、最終目的は世の中のためになることではないでしょうか。

そのように考えると組織として取り組むべき事ははっきりするもので、やはり自分たちの利益だけではなく家具を通じて生活を豊かにする精神にあると思われます。

決して贅沢さを意味するものではなく、本質的な人間の幸せとでも言うのでしょうか、家具がひとつの教材になればそれに越したことはありません。

本物の家具は生活の質さえも変えてしまうもので、「まだ子供が小さいから…」を言い訳とすることなく、出来ることならばそれらに接する早めの環境づくりが望ましいと考えます。

人間社会の中では思い通りに行かないことの方が多いとも言えますが、少なくとも負の出発点からは社会のためになるものは生まれてこないように感じます。

この時代において相応に名前を残しているものこそ社会に対する責任があるとも思われ、その影響力を逆手に取ることなく真っ当に進んでもらいたいとの気持ちです。

そして、真の意味で上質な、世の中のためになる家具が多く生まれることを願っています。